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「……そう、僕は、教師だからね」
また、五条はそう呟いた。
その生徒であった彼らは、もう嫌でもわかってしまった。先程までの乱雑な口調から、自分たちがよく知る口調へと戻った。五条は教師に成ろうとして、成ったのだろう。こうやって、まるで違う人格を形成するように、かつての友が望む生き方になるように。
しんとした空気の中、またひとつ、五条の纏う空気が変わる。
「つってもそれは昔の僕なわけで、今は君たちの先生でもなんでもない。よって僕は君たちに先生をする必要は無い」
「…ん？え？うん？」
突然おちゃらけた空気を出した五条に虎杖は一層困惑した。五条が何を言い出すかと思えば、予想していたよりも馬鹿げた内容であることを汲み取った夏油は思わず笑ってしまう。
「手始めに、年下である僕にこれ、奢ってよ」
そう言って伝票をチラつかせる。これは不器用な五条なりの対等を知らせる文言だったが、その想いが伝わってるのか伝わっていないのか、釘崎は「クズじゃねえか！！！！」と叫び、また虎杖は「なんでそーなんの！！」と疑問を顕にした。
辛かった、苦しかった。一緒に馬鹿やって、溜め込んだストレスを発散し合う奴がいなくなって、一緒にスイーツ巡りしながら話を聞いてくれる奴もいなくなった。残ったのはただ、そんな俺らを馬鹿にして笑うような女だった。硝子はずっと変わらなかった、と思う。やることなすこと全て真似事だった自分を馬鹿にして笑った。変わらないでいてくれた。
お互い、心の内をベラベラ話し合う仲では無かった。言葉にしなくとも、悲しみに染っていることなどわかっていた。そうして、胸の内を明かすことの無いまま気付けば大人になっていた。その気がなくとも、弱音なんぞ見せなくなった。
でも、今は。
「なぁ傑」
「…うん？」
俺の言葉に一斉に反応した元生徒たちを見て笑っていた視線がこちらに映った。
傑にも弱音なんて吐いたことは無いが、お互いむしゃくしゃする時は拳で語り合っていたのを思い出す。訓練にもなるし、ストレス発散にもなる。今思うと効率いいな、なんて頭の隅で考える。
「やっぱ俺、お前ウザイわ」
「は？」
「いや、うん、やっぱお前のせいだわ」
「…どういうことかな？」
場合によっちゃ殴るけど、なんて副音声が聞こえてくる。
泣き喚かなくとも、今の五条にはそれだけで十分だった。
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く - また戻って来ちゃいました…！！本当にいつ読んでも面白くて飽きません！！この小説が大好きです！！ (3月26日 11時) (
レス) id: 2886bd5eaa (このIDを非表示/違反報告)
a - 何回も読み返してしまうほど設定がしっかりしていて解釈の仕方が納得できたりしてしまう程大好きな作品です更新待ってます (3月22日 5時) (レス) @page41 id: 125b1c80a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - え、おわり？？？え？？ここで？？？え (3月14日 0時) (レス) @page41 id: a785fb42c2 (このIDを非表示/違反報告)
甚嘉 - このお話とても大好きです！私はさしす組推しなんですが、夢小説ではよく硝子さんだけ距離を感じるものが多くて…だけど、この作品は4人の友情が綺麗に描かれていてとても惹き込まれました。これからも頑張ってください！ (2月16日 21時) (レス) @page41 id: c9696c8440 (このIDを非表示/違反報告)
r(プロフ) - この作品大好きで大好きで…初期の頃からずっと追いかけてました…久しぶりに見たら更新されてるなんて…夢中で読みまくりました、、更新ずっと待ってます…作者さんの書く作品が大好きです (1月13日 18時) (レス) id: 892520834f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年6月11日 21時
