若者よ、吠えろ ページ22
．
「あ、そうだ」
「なに」
「先日伏黒くんの所へ行ったんだけど」
「……ハッ！？」
「……やめてくれ、汚いだろ」
小腹が空いたと五条が喚き近くにあったファストフード店に寄った。突然現れた雄英の制服を着た顔の綺麗な巨人共に店員は頬を赤く染めた。
五条は突然投げかけられた話題に思わず飲んでいたジュースを吹き出してしまった。目の前には心底嫌そうな顔をする夏油。いやいや、オマエのせい。俺がこうなることわかってたろ、お前。
「……………すぐるぅ」
「なんだ」
「……なんか言ってた？」
「さぁ」
「………おい」
五条が吹き出したジュースを夏油はテキパキと拭い、拭き終わったティッシュを五条へ目掛けて投げた。五条は基本常に無限を張っている。虚しいことにそのティッシュは五条本体に当たることなくテーブルへと落ちてしまった。
「自分で行きなさい」
「むり！」
「ガキめ」
「うるせー！」
あの日、体育祭で五条はついついピキーンときてしまい彼らに高圧的な態度を取ってしまっていた。その自覚はあった。だが、それを謝れるような人格を五条は持ち合わせていない。
「…でもしょうがなくね？あのまま傑に近付けたら危険だったし」
「…私が？それともあの子たちが？」
「おまえ」
記憶が無いとはいえ夏油は確実に彼らの日常をぶち壊した張本人だ。五条だけでなく、家入も彼らと夏油の接触を危険視していた。
俺たちはああなる前の傑を知っていて、その傑を殺したのは俺だ。あの傑は、目の前に座ってる傑とは全く別モンだ。でも、それをあいつらは知らない。その時の出来事を、傑には絶対に知らせてはならない。
これは、家入と五条の共通認識だった。
「…お前なんて言ったの」
「……君も、やはり居たのか」
夏油は渋谷の事件をぼんやりと覚えていた。身動きの取れない体。金縛りのようだった。自分の意思と関係なく動く自分の体であったはずのものが繰り出す世界を、ただただ朦朧としたまま眺めていた。
ーーーいつまでいい様にされてんだ、傑
明確に覚えているのは、五条にこう言われた場面だけ。
ただ、それだけ。何が起こっているのかは、何も分からないままだった。でもなんだか、ムカついて、必死に腕を動かした。あれから、どうなったのか。聞けず終いだ。
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く - また戻って来ちゃいました…！！本当にいつ読んでも面白くて飽きません！！この小説が大好きです！！ (3月26日 11時) (
レス) id: 2886bd5eaa (このIDを非表示/違反報告)
a - 何回も読み返してしまうほど設定がしっかりしていて解釈の仕方が納得できたりしてしまう程大好きな作品です更新待ってます (3月22日 5時) (レス) @page41 id: 125b1c80a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - え、おわり？？？え？？ここで？？？え (3月14日 0時) (レス) @page41 id: a785fb42c2 (このIDを非表示/違反報告)
甚嘉 - このお話とても大好きです！私はさしす組推しなんですが、夢小説ではよく硝子さんだけ距離を感じるものが多くて…だけど、この作品は4人の友情が綺麗に描かれていてとても惹き込まれました。これからも頑張ってください！ (2月16日 21時) (レス) @page41 id: c9696c8440 (このIDを非表示/違反報告)
r(プロフ) - この作品大好きで大好きで…初期の頃からずっと追いかけてました…久しぶりに見たら更新されてるなんて…夢中で読みまくりました、、更新ずっと待ってます…作者さんの書く作品が大好きです (1月13日 18時) (レス) id: 892520834f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年6月11日 21時
