J事務所の女の子です2 (ページ10)

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すれ違いページ10

ただ今ツアーの打ち合わせ中。

細かいところの改善点を皆で出し合って話し合っている。

まぁ、真剣にやってたのは最初の30分。
だんだん飽きてきて海人と紫耀は絵を描いてお互い何故か爆笑している。

いつもは私もそれに混ざるんだけど。

今日は何となくモヤモヤしていた。

焦り、このままでいいのかという不安。

普段の寝不足やストレスも重なって気付けば声を荒げていた。

『ちょっと！真剣にやってよ！』

紫「え、どうしたん急に」
優「……A？」
海「びっくりした……」

『今どれだけ大切な時期か分かってるの？遊んでる暇があるなら考えて！！』

玄「一旦落ち着いて」
紫「なんかごめん…」
勇「Aらしくないよ」
廉「いつもの事やん」

理不尽なのは分かってる。焦ってる理由も、モヤモヤする理由も、全部自分のことだって。

デビューコンサートが行われた大阪で、私は見てしまった。
外野を走っている時、ふと目に入ったうちわ。

メンカラだったので、私のファンの方かなと思い笑いかけた瞬間、頭が真っ白になった。

“A消えろ”

すぐそばに私のファンの方がいて、またすぐそばに廉がいたから何事もなかったかのようにやり過ごしたけど。

悲しかった、よりも、驚きの方が大きかった。

最近はあまり無くなっていた自分への刃。

ファンレターが増え、アンチレターも無くなってはいなかったが減っていた。

何より、あからさまなアンチはないに等しかった。

ロケでどこを歩いても、温かい応援の言葉で。

私の中でそういう面でのゆとりが出来てたのかもしれない。
まさか、の気持ちが強くて。

でも、達成感でいっぱいのメンバーには言えなかった。
台無しにしたくない。
嫌な気持ちにさせたくない。

『ごめん、取り乱した。でも、今は真剣にやろ？』
廉「まぁ、ツアーの大事な事やしな！」
海「ごめんね」
紫「よし、改めてやりましょう」
廉「お前やねん(笑)」

メンバーも戸惑ってるのが分かる。

喧嘩をしたことはあっても、私が大声を出すのは多分初めて。

何年も一緒にいて、声を荒げたことは一度も無かった。

『はぁ………』