25. それでも救いたいから ページ25
雪「呪いだとしても私を救いたい?
ふふ。認めるなんて、潔いね」
奏「…」
雪「でも、もしその曲を聴いても、きっと変わらない。少し救われて…また、消えたいって想いが強くなるだけ
だからもういいの。放っておいて」
瑞希「雪…!」
絵名「…ふざけないでよ!!」
奏「え?」
瑞希「え、えななん!?」
『な、なんでここに…!』
絵名「そいつに…雪に、一言言いに来たの
自分を探せないとか、消えた方がいいとか、ぐちゃぐちゃ言ってるそいつが、心底ムカつくから!」
雪「…」
絵名「なんなのあんた?
なんであんた、私の欲しいもの持ってるくせに、消えたいとか、平気で言えるわけ?」
雪「…何、言ってるの?
私は何も持っていない、ずっと」
絵名「…何もない?
私にとってはそうじゃないって言ってんの!!
あんたは持ってる!あんなにすごい作品が作れる!
あんたの作品を待ってて、期待してくれる人だってたくさんいる!!
腹立つぐらい才能がある…!!
私が…私が欲しくてたまらないものを、あんたは持ってる…」
雪「…」
絵名「あんたの曲が頭から離れないの!あんたみたいな勝手なヤツ大っ嫌いなのに、あんたの曲はもっと…もっと聴きたいって思ってる!!
嫌いなのに、嫌いなのに…!心のどこかで、雪に消えて欲しくないって…もっと雪の曲が聴きたいって、思ってる…!!
だから…消えないで…作りなさいよ…っ
才能があるなら、才能がない人の分まで苦しんで、作りなさいよ!!消えるなんて…絶対に、許さない!!」
雪「…私の曲がすごいかどうかなんて、そんなの、どうだっていい
私がほしいのは、すごい曲じゃない。誰かの賞賛でもない。私はただ__見つけたかっただけ
でも、そんなの無理だってわかったから、もうどうでもいいの
あなたにはわからないかもしれないけど」
絵名「…っ!雪、あんたね…!!」
瑞希「そっかそっかー。ボクは雪の気持ちちょっとわかるな〜」
絵名「Amia…!?」
瑞希「ほら、天才だろーがお金持ちだろーがカワイイ子だろーが、キツイことってあるし?
雪がどんだけすごい曲作れても、一番ほしいものが手に入らないなら、雪にとっては意味ないと思うんだよね〜
だからボクは、雪が消えたいなら好きにすればいいと思うよ
ボク達がいろいろ言ったところで、雪の問題は雪にしかわからないんだからさ」
雪「…なら」
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nyankit - もしかして寝太郎って……… (2023年4月3日 13時) (レス) @page10 id: 2c9231e74c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:耀(よう) | 作成日時:2023年4月1日 18時