サッカー少年、ナイトコードで。

23. ふたりの呪い(少しだけ前話の続き) ページ23

Amia【えななん？起きてたの？】



えななん【…作業してたから



k、曲できたの？】



k【うん。えななんも、聴いてくれる？】



えななん【…いいけど】



ピコン



えななん【…やっぱりkの曲は、あったかいね】



k【ありがとう】



えななん【…行ってらっしゃい



ちゃんと、戻ってきてね】



Amia【もっちろん！それじゃあ、行こうk、海！】



k【うん。＿＿会いに行こう、雪に】







ー誰もいないセカイー



奏「雪…雪、雪！」



瑞希「雪ー！どこにいるの！雪ー！」



『雪！いるなら返事しろー！』



もう少し先に進めば、そこには雪がいた



k「雪…」



瑞希「よかった、いた！」



『とりあえず、セーフ…』



雪「…どうして？



ミク…あなたが連れてきたの？」



ミク「…」



雪「…なんで、また来たの



私は、ひとりにさせてって言ったでしょ？」



奏「わたしの曲を聴いてほしい。だから、会いに来た」



雪「…曲？」



奏「わたしの曲じゃ足りなかったって、雪は言ってた



だから、もう一度作ったの。今度こそ、ちゃんと雪を救える曲を」



雪「…もう、必要ない」



奏「雪」



雪「しつこい



ミク、追い出して」



ミク「…」



雪「ミク、聞こえないの？…早くこの3人を…」



ミク「聴いて」



雪「え？」



ミク「この曲を、聴いて」



雪「…ミクまで…なんなの？」



奏「お願い、雪」



雪「…うるさい！私はひとりで消えたいの！もう放っておいて！



こんなの…いらない！！」



雪は、奏が作ってきた曲の入ったスマホを投げ捨てた



奏「…っ！」



瑞希「kのスマホが…！」



『雪…』



雪「…出てってよ



私のことなんて何にもわからないくせに、勝手に入ってこないでよ！！」



奏「……わかるよ



雪、わたし達に言ったよね。本当は消えたいんでしょって



そうだよ。わたしも、本当は消えたくて仕方がない



わたしは自分の曲で。一番大切な人を不幸にしたから」



雪「え…？」



奏「…わたし、作曲家だったお父さんがいるの



お父さんは、自分の音楽でたくさんの人を幸せにしたい、って思って、ずっと頑張ってた



わたしはお父さんみたいになりたくて、曲を作り始めた



でも、わたしの曲が…お父さんを追いつめた」



Amia「kの曲が…？」



奏「そう。お父さんはずっと苦しんでたの。自分の作る曲は、古くて、受け入れられないって」

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