【d!】2年3組 マイペースちゃん。

▽ ページ18

ht視点


『...じゃあ、またね』


そろそろ帰らなきゃ、なんて言いながら

玄関で靴を履いて外に出て

Aちゃんのお母さんに見送られて帰ろうとしてると

後ろからそんな声が聞こえて振り返った

家の中から控えめに手を振ってるAちゃんが見える


os「また明日めぅ〜！」

zm「また明日な！」

ht「また明日ね」


俺らも手を振り返す

Aちゃんが少し微笑んだ気がして

可愛らしいな、なんて

そんなことを考えてると

俺の隣にいたマンちゃんが あっ と声を上げて

Aちゃんに話しかけた


os「Aちゃん！よかったらなんやけど、俺とらんらん毎朝一緒に登校しとるんよ、やから一緒にどう？」

zm「えー！それずるいやん！」


マンちゃんの提案に登校する道が途中まで違うゾムがブーっと唇を尖らせる

Aちゃん、いいのかな、？


『...マンちゃんたちさえ良ければ、私は、』

os「俺はええで！ひとらんは？」

ht「全然いいよ！」


むしろ一緒に登校したいな、なんて


『ゾムくん...でも、ゾムくん嫌そうだし...』

os「え〜？ゾム我慢してや」

zm「やって、なんか、置いてかれるん嫌やもん」

『ひとらんくんもいいなら...』

ht「うん、俺は全然いいよ」

『あ、置いてかれるのが、嫌なんだ...』


Aちゃんは

どうしたらいいのかな、とでも言うように

おろおろとしている...ように見える

そんなに表情が変わることもないし

わかりにくいんだけど、

でも、今すごく、困ってる顔してる気がする


os「せやったらさ、あっちの俺らと合流出来る通路のとこで待っとったらええやん」

zm「あ！ほんまやん！」


マンちゃんの提案を聞いて

嫌そうな顔からパッと笑顔になるゾム

感情の起伏激しいけど、それがゾムか


『えっと...ゾムくん、それでいいの、？』

zm「おん！全然ええで！」

『...』

zm「Aもこれでええん？」

『ならいいんだけど...』

zm「おん！」

『私は、これで大丈夫だよ、』


Aちゃんの言葉に安堵して

息をついてると

Aちゃんが声をこぼした


『それに、3人ともっと仲良くなりたいから、私、』


その声がいつもの倍以上透き通ってて

触ったら壊れそうなくらい繊細な気がして

言葉が詰まった


os「めちゃめちゃかわええこと言ってくれとる〜！」

zm「俺も仲良くなりたいで！A！」


こう言う時に言葉が出てくる2人のことを

少しだけすごいな、なんて考えた

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