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変な噂 ページ18

「懐かしい」
「俺めっちゃビビってたじゃん正直」
「…確かに」

思い出してふふふと笑ってしまう。

「やっぱり思ってた?」
「いやいや!そんなこと思ってないよ!」
「…本当に?」
「うん。あの時も見てて面白かったし、それに…」
「それに…?」

『可愛いな』って思ってたけど
これ楽屋前、すなわち廊下で言うことか?
人通りは少ないとはいえ、誰が聞いてるか分からないし。
というかこんなに立ち止まりながら話すのも良く無いよね。
変な誤解が回ってしまったら迷惑がかかる。

「いや、あの…楽しかったなって」
「…なんか今誤魔化した?」
「え!誤魔化して無いよ!」
「…ちょっとごめんね」

そう言って私の右腕を引っ張り楽屋の中へ入る。

「え!ちょっと!」

私の声はお構いなしに、
扉を閉めて部屋の中のソファへ進んだ。
そのままソファに腰掛ける渡辺くん。
私は訳がわからなくなってソファの前に立ち尽くしたまま。
右腕はまだ離されていない。

「誰かに見られてたらどうするの!」
「ごめん、急に」
「…」

空気がツンと冷たくなり、私もゆっくりソファに腰掛けた。
目線が同じくらいになった渡辺くんは
少し迷ってるように見える。

「ごめん…」
「いや、私こそごめん、誤魔化した」

渡辺くんがゆっくりと顔を上げた。
もう正直に言って早めに退散しよう。

「本当は高校の時、可愛いなって思ってたの」
「可愛い…?おれが?」
「うん。怖がってる渡辺くんが可愛かった」
「…それって褒められてる?」
「もちろん!」
「…可愛いって言われてなんか複雑」
「あはは、ごめんね」
「でもなんでさっきそれ言うのやめたの?別に言っても良かったのに」

渡辺くんが不思議そうな顔をした。

「誰かに聞かれてたらまずいかな、って。」
「…」
「それに2人で立ち止まって話し込んでるのも良く無いのかなと思って」
「…でも俺さっき歩きながら柿崎さんのこと可愛いとか言っちゃったよ?」
「…あ、確かに!ダメじゃん!」

言われてみればそうじゃん。
さっきの道もスタッフさん少なかったけど
全くいないわけではなかった。

「…どうしよう。聞かれてたら」
「…あのさ、柿崎さんは俺と話すの嫌?」
「え、なんで!嫌じゃ無いよもちろん」
「じゃあ大丈夫だよ」
「大丈夫じゃないよ。それとこれとは別」
「なんで?」

なんで、って。
だってもし変な噂が立ったら?
渡辺くんに迷惑がかかる。
そんなの私望んで無い。
昔も今もそれは絶対に変わらない。

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おでん(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます。そう言っていただき嬉しいです!ありがとうございます! (2021年3月4日 7時) (レス) id: 0eda0cdbe1 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - おでんはんはじめまして!このお話本当に大好きです!今までにないテイストで今後も更新楽しみにしてます(^^) (2021年3月2日 20時) (レス) id: 7b49f138be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おでん | 作成日時:2021年2月20日 21時

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