神様は知っている 完結編Ａ 〜探偵チームＫｚ事件ノート〜

好き　小塚 ページ8

三人称だけど小塚目線



カチャカチャ

実験器具の立てる小さな音が、小塚の部屋で鳴り響いていた。

額に汗を垂らし、必死に実験を進める小塚。

この実験を、成功させるんだ！

その強い思いが、その心を覆っている。

なぜ、そんな実験をしているのか……。

それは、小塚自身にも分からない。



「ふう。」

実験が、ひと段落ついた。

いや、ついてしまった。

正直なところ、ついてほしくなかった。しかし、このペースで続けていれば、一も二もなく、自分の体を壊れる。そのことは、よく分かっていた。

椅子に腰かけ、置いてあった、冷めたコーヒーを手に持つ。

「…苦い。」

信じられないほど苦いその味。しかし、砂糖を入れる気にはならなかった。

今の小塚の心の方が、はるかに苦く、苦しい。

「アーヤ…。」

気づくと、そう呟いていた。

ずっと、そうだ。気づけば、彼女の事を考えている。


思っている。


呼んでいる。


何をしても、何を感じても、興味が持てない。ただ一日中、病院で眠り続ける少女に思いを馳せていた。

実験に打ち込めば、そのことを忘れられる。夢中になれる。

この苦しみを、


この悲しみを、


この辛さを、


この痛みを、


忘れさせてくれる。



「………。」

窓の外で輝く、満月を見つめた。

無情な光を放つその月が、とても遠く感じられた。


「アーヤ。」


君は今、どこにいるの？

君の心は、どこにあるの？

ここではない、どこか遠くの場所…。

そこはいったい、どこなの？

そこは、僕らを受け入れてはくれないの？

君は、僕らの元に戻ってきてはくれないの？








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…………いったいいつになったら、君は微笑んでくれるの？






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゛シャリの小塚君。″
゛小塚君、すごいねっ！″
゛小塚君、これはなあに？″





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・








゛大好きだよ、小塚君。″






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「あー…やっ………！」





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ボロボロボロと、涙が落ちた。








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もう君は、僕の涙を拭ってもくれない。






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大好きだよ、アーヤ…っ。





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