神様は知っている 完結編Ａ 〜探偵チームＫｚ事件ノート〜

心残り ページ42

「思い出したんです。







　たった一つの、心残り。







　やっぱり、







　私はこのまま、







　楽にはなれません。








　彼らに、






　もう一度、






　会いたい＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。」









・









・









天使は、









その答えを聞いて、









微笑んだ。








＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿そうか。








＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿よかった。









「分かりました。








　どうぞ、地上にお戻りください。








　ただし、









・









　戻ったらしばらくは









　帰ってこないでくださいね＿＿＿＿＿？」









「＿＿＿＿はい。





　しばらくは。






　何十年か後に、戻ってきます。」









「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿かしこまりました。








　お待ちしております。」









「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ありがとうございます。」









少女の微笑みを見た天使は、









静かに笑うと、








もう一度、








地へと足をつけた。









・









少女を静かに降ろし、






そして、優雅な動作で跪く。








「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿行ってらっしゃい。」







そして、少女の手を取ると、






その手の甲に、口づける。






「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿はい。




　行ってきます！」







力強く答える少女。







天使は、そんな少女の姿を、眩しげに見つめた。









ああ、






あんなにも少女を思う少年たちの気持ちが、







…分かる気がする＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。









・









・









・









お互いに、








お互いの姿が、薄くなっていく。









離れているわけでもないのに、








お互いの姿が、遠く感じられる。








少女は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿









彩は。







遠くなっていく天使とその世界に






静かに






手を振った。






「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ありがとうございました。」





小さく呟くと、





礼をし、





周りの世界がだんだん白く、






光に染まっていくのを見ながら、






踵を返して






天使に背を向けた。







そして







元の世界へと






向かった。

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