七つのうちの一つだなんて誰が言った？ ページ9
彼らからしたら友人のグルッペン君かもしれないが、私からしてみれば生徒会のグルッペン君で、本当にその高貴溢れる身形、美しい所作。きっとご両親から大切に育てられてきたのであろう。そんな彼と私が、対面なんて。ましてやこんなところ、他の女子に見られたらただものではない。
「今はそんなこと考えとる暇ないやろ。俺らさっき死にかけたし」
だが、シャオロン君の意見も一理ある。渋々、生徒会室の扉を開けた彼らの後ろに従うのだった。
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「ほぅ、客人か」
空気が、変わった。
『…あの、』
「そう緊張することもない。同級生なのだから、いつも通りでいい」
生徒会室に入った瞬間に空気が変わったのは明らかだ。だが、これが良い方向になのか、悪い方向になのかは定かではない。コネシマ君は、グルッペン君なら何かを知っていると言っていたが、どうして彼は、こうも秘密を握っていそうな風格をしているのだろう。
「さぁ、話してもらおうか。君たちの周りで起きている、奇々怪々で奇妙奇天烈な出来事を」
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私達の身に起きたことを、主にコネシマ君が話し、シャオロン君が補足をする形で説明した。いつもの彼らなら、脱線することなんて当たり前なのに妙に緊張感のあるトーンが、ふざけていないことを証明する。
コネシマ君の声はこんなにも低かったっけ。
「なるほど」
「信じられへんかもしれんけど、ほんまに、」
「―――信じられない？」
形の良い眉を曲げ、心底不思議そうな顔をする。
「お前らのことを疑ったことは、一度もないだろう？」
彼が、どうしてこの学校の頂上にいるかが分かった気がする。誰にも触れさせない高貴な雰囲気を出しているくせに、自分の輪の中に入れる人には絶対的信頼を持ち、時には自分さえいなくてもやっていけると、全て後を任せて身を引けるところだ。こういうところが、彼らの信頼を、男子からの共感を、女子からの愛情をもらっているのだ。
「だが、不可解な点があってだな、」
眼鏡を上げ、言い難そうに口を紡ぐ。グルッペン君が再度口を開ける、たった数秒の間に、冷や汗が流れる。脳みそに酸素が届いていない気がして、呼吸が荒くなる。視界が、ちかちかしてきた、
やめて、それ以上言わないで、
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「この学校の七不思議に、コネシマとAが体験した"視線"は入っていないゾ」
七不思議じゃ、ない？
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@眠猫。(プロフ) - 弓矢さん» 最初はホラーと恋愛の混合が難しく、挫折しそうになりましたがそう言っていただけて本当に最後まで書き続けてよかったなと思います。しばらく更新の予定はないですが、どこかで番外編など書けたら楽しそうだなとは思います。その時はまた、読んでいただけると幸いです。 (2022年1月10日 20時) (
レス) id: 91126b09d4 (このIDを非表示/違反報告)
弓矢(プロフ) - みんなかわいくて素敵で好きです。私の少ない語彙だと上手く言えませんが、空気感も好みで尚且つそれが直に伝わる様で読んでてとてもゾクゾクしました。最後の方もゾクゾクしつつも一周回ってワクワクしながら読み進めました。とても面白かったです。有難うございます。 (2022年1月8日 8時) (レス) @page50 id: 8d1caf834f (このIDを非表示/違反報告)
@眠猫。(プロフ) - 李白さん» 初めまして。この度は数ある作品の中から私の作品を読んでいただき、ありがとうございます。完結して2か月ほど経ちましたが、まだこのような言葉を頂けることに感無量です。お時間ありましたら是非、また覗いてやってください。またどこかで会えますように。 (2022年1月2日 20時) (レス) id: 91126b09d4 (このIDを非表示/違反報告)
李白 - 初めまして。作品全て読みましたが解説を見て鳥肌が立ちました。最高です。この作品に出会えて良かったです (2022年1月1日 11時) (レス) id: 1cec622168 (このIDを非表示/違反報告)
@眠猫。(プロフ) - このはさん» 返信遅くなりました。この度は私の作品を読んでいただきありがとうございます。練りに練ったお話だったのでそう言っていただけるととても嬉しいです。またどこかで会えましたら、よろしくお願いします！ (2021年11月16日 22時) (レス) id: 91126b09d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@眠猫。 | 作成日時：2021年8月28日 17時
