25.冬に恋した。 眠猫 ページ37
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今日も今日とて時間だけが余る。
春には桜の花弁が入ってくる窓を開けても、ただ寒い景色が広がっているだけ。
同じ所から見てるのに冬はどうも好きになれない。
寒いし、
雪の処理はめんどうだし、
何より寂しさが増すばかりだ。
・
tn「風邪ひくで」
後ろから赤いブランケットが私の体を包んだ。
『…書記長がこんなところで油売ってていいの？』
tn「凄腕お医者さんが風邪ひいたらどうするんや」
正論を言われ、黙ってブランケットの端を握る。
tn「…もう真っ暗やで。」
『空見ればわかるわよ』
部屋に居たら孤独に押しつぶされそうで思わず外へ出てしまった。もっと寂しくなるだけなのに。
tn「…寒いな。」
『…ほんとにね』
石畳のせいで余計寒く感じる。
息で手を温めているとあっさりと腕を掴まれ、大きな手に包まれる。
『トンっ、』
tn「…Aっ、」
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tn「俺にしぃや……、」
驚くほど小さく、いつも自信満々でハキハキ喋る普段とは打って変わって、
細くて、
悲しそうに、
自信なさげに、
『……。』
tn「…なんてな、」
笑った。
『…ごめん、』
tn「冗談やん、真に受けんなよ、」
『…こんな冗談、トントンがつくわけないでしょっ、』
tn「――――わかっとるんやったら尚更傷つくわ。」
違う、
貴方は大きな国家の書記長だ。
総統の下で、
信頼した仲間をもって、
仲間からも信頼されて、
いつも彼の周りから彼を呼ぶ声が聞こえる。おかげで彼は寝不足だけれど。
だから、だからだ。
『…ごめんっ、』
・
・
tn「…まだ好きか、ゾムが。」
色んな感情でぐちゃぐちゃだ。“まだ”なんかじゃない、“ずっと”だ。
――――『話したいことがあるの、だから絶対帰ってきてっ、』――――
戦場へ行く前、緑の後姿に叫んだ言葉。振り返って、
「「約束」」
と、得意げに笑った。
そんな彼が大好きなのっ、
連絡も取れず、もう一度冬が来た。ゾムが居ない初めての冬が来た。
もうすぐ春よ。早く帰ってきなさいよっ、雪が溶けると一緒にゾムも現れてよ、早く抱きしめてよっ、
ぼろぼろととめどなく溢れる涙。
『〜〜〜〜っ、彼の居ない世界なんて大っ嫌い。冬も、春も夏も秋もゾムが居ない四季なんて要らない、必要ない、』
こんな苦しい想いも、いやだ。苦しいだけじゃないっ、
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小雨 - あけましておめでとうございます。本当にお二人の小説は終始発狂しつつ読ましていただいております、ええ。相変わらずぐるちゃんは可愛いと。この人にならプリンあげてもいい (2019年1月2日 23時) (
レス) id: be8669dcb5 (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - 小雨さん» 遅くなってしまいすみません！！ありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！素人が小説を投稿するのは色々悩んだりするのですっごく励みになります、本当にありがとうございます！！ (2019年1月2日 9時) (レス) id: 6df2bbbd20 (このIDを非表示/違反報告)
かわ(プロフ) - 小雨さん» メガネさん無事でよかったです…！！年末年始どちらも暇なんでね更新するしかないですよ…ほんと、多分ですけど。大好きなんて言って貰えて本当に嬉しいです！コメントしてくださるだけでも凄く嬉しいので！ (2019年1月1日 15時) (レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 待って今気づいた、お二人はだい好きな作品かいてる人だったわ、そんな人からコメント返信してもらったとかやばいな... (2018年12月31日 21時) (レス) id: be8669dcb5 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - メガネは無事です！年末も素敵な作品ありがとうございます(年始も期待) ちなみにコーヒーは飲めません(どーでもいい) (2018年12月31日 15時) (レス) id: be8669dcb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@眠猫。 x他1人 | 作成日時：2018年12月4日 18時
