釘崎と同郷の女の子は考え方もちょっと変 [呪術廻戦]

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地上に舞い戻った真人は地面と衝突した衝撃で四肢をあちこちに曲げたまま息絶えた少女の体に向かって、ため息を吐いた。

「は〜、気分悪。」

さっさと虎杖悠仁を殺しに行こうと、真人は少女に背を向け出口へと歩き出した。

本当に面白いものを見つけたと思ったのだ。魂の形がわかる真人は珍しいものを見て、興味関心を持ったのだ。

夏油傑が名指しした少女は一見弱々しいだけの呪術師に見えた。実際に相対した時、真人はあまりの呪力の少なさに驚いた。

(これが、夏油が言ってた女の子？)

五条悟に対して有効な駒になり得ると夏油は言っていたが、真人には到底そうは思えなかった。弱い、弱い。他のどの呪術師と比べても、主人公の呪力はあまりにも弱過ぎた。

呪力だけではない、その体も普通の女の体と何ら変わりがあるようには見えなかった。強いて言うなら内臓は強そうだな、と。その程度。

髪を操る術式が使えることには少しだけ驚いた。そんなへぼい術式すら使えなさそうだと思うほどに少女の呪力は弱かった。呪いそのものである真人がそう感じたのだから、本当の事である。

唯一心惹かれたのはその魂のあり方。少女はいわゆる”人でなし”だった。あの女は自分が放った改造人間を殺すことに一切の躊躇をしなかった。殺した後に罪悪感も抱いてはいなかった。

だけど釘崎野薔薇という名前を出した瞬間、少女は心の制御を失い失墜した。所詮は五条悟と同じで、心をコントロールしていただけだったのだろうか。

(つまらない。)

生まれて初めて真人が感じた感動はすぐに醜く散った。これが失望だというのなら、もう二度と味わいたくはないものだ。

真人はその思い出その場を後にした。

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