114 古森side ページ21
部活帰り、佐久早と駅から家まで歩いていた。
最寄りの駅からだと人混みをくぐり抜けて行かないといけないから、いつもコイツは2つ前の駅で降りてる。
人通りの少ない、夕方の道。
『なあ、アレ…』
佐久早「何？」
『いや、…なんでもない』
両手にスーパーのでっかい袋を下げて、前方から見覚えのある人が歩いてきた。
でもここ東京だし、顔似てるだけだよなと思って通りすぎようとしたんだけど。
佐久早「！」
どうやら脳のレーダーが反応したらしく、佐久早がその人に近付いて声をかけた。
佐久早「…Aくん？」
『ん、？』
”へぇ、あ、はい“と変な声を出して立ち止まったその人。
間違いない。声がアカネだった。
ウチの合宿所のトラブルで白鳥沢と稲荷崎は梟谷のとこ行ったみたいだから、
アカネさんも梟谷のとこにいると思ってたんだけど。
貴「おひさしぶり。」
佐久早「去年の春高以来だねAくん。何してるの」
貴「合宿の、夕飯の買い出し」
……え、アカ…え？アカネがパシリにされてんの？？
梟谷ってマネいたよな？なんで白鳥沢スタメンにおつかいさせてんの？
…やっぱさっきのウシワカからの電話ほんとだったってことか。
アカネがどっかの学校のマネにいじめられてバレーやめるとか言ってるって。
佐久早「……てか何そのジャージ、誰の。“AOBAJOHSAI”…？
白鳥沢のじゃないじゃん。誰に着せられたのそのジャージ」
貴「おれ、もう白鳥沢じゃないよ」
青葉城西高校、ってとこに転校した。と、のほほんとした顔で言ってのける。
「そんなの聞いてない」
「なにそこ強豪なの」
「マネージャーってどういうこと！？」
と怒る佐久早を宥め、
俺の眉毛を目潰しするみたいにドスッと指で突いた。
『…毎回これやるのやめません？』
貴「最高の触り心地ですなぁ」
にひひ、と笑うアカネさんの顔色が悪い気がした。
貧血っぽい、というか、ジャージに赤い染みあるし。それもあたらしい。血…？？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1017人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ささくれ - すいません文字数の問題と補足？を…！ こんなに感情移入したの初めてです！ほんとにありがとうございます！長文失礼しました！ (3月15日 17時) (
レス) id: accd3cfdde (このIDを非表示/違反報告)
ささくれ - 読み出すと止まらなくて最後まで一気に読んでしまいました…！ 茜くん可愛い…優しい…と思いながら私はやっぱり百瀬(さん)の事が許せなくて、でも最後に「謝れたら」って思ってるどこまでも優しすぎる茜くんに泣きました…… こんな凄い感動作をありがとうございます！ (3月15日 17時) (レス) @page38 id: accd3cfdde (このIDを非表示/違反報告)
春千瑠 - 一気読みさせていただきました！afterstoryまで完璧過ぎました……超絶面白かったです❗ (2022年12月4日 22時) (レス) @page38 id: 6c259301f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきと - 角名は、関西弁じゃないですよ(・∀・) (2022年8月9日 4時) (レス) @page14 id: 383073ea28 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ - むちゃくちゃ面白かったです！！ (2022年8月3日 17時) (レス) @page38 id: ed83340cb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蟹江 | 作成日時：2020年7月12日 11時
