いつも ** ページ16
智洋
「 まじか、」
体温計の表示を見て、とりあえず深呼吸。
40℃ジャスト。こりゃ動けんよな、よう電話してきたわ。
「…かみちゃん 、 」
「 うん 、どした？ 」
「 ごめんなぁ 、わざわざ 」
もう 。ほら、すぐこう。
やっとヘルプ出したかと思えば 、今度は申し訳なさが心を支配するみたいで。
「気にせんでえーの。病人は甘えるもんやろ」
「 … 、ふふ、なんか おかんみたい 」
んで、声をかけてやると今度はおかん扱い 。
「 おかんでもえーよ、もう。」
「 … あたま痛い 」
俺がおかんになれたら、やっと
やっとしんどいのを吐き出せるようになる。
この1連の流れ、実はいつものことで。
無意識なんやろうけど、しげは。
普段は俺にでさえお兄ちゃんぶるからな、
こういうときだけ、ぐっと立場が反対になる 。
「 ちょっと冷やしてみよか 」
熱も高いし頭痛も酷いようやから、気休め程度に冷えピタ貼ってやった。
そこからたぶん１時間半くらい。
寝息が聞こえたから、
食べれるかわからんけどお粥作ったり
ちゃんと加湿してやったり、
そんなんしてたら しげがもぞもぞっと動いた 。
「 … っん 、ごほっ ゲホッ」
「 おおっ！ 大丈夫、大丈夫。出しちゃえ 」
飛び起きたとおもったら 吐き出して 。
突然過ぎて ぜんぜん間に合わんかった 。
ゲホゲホ吐いてるけど水分しか出てこうへん。
「 はぁ っ、 ゴホッゴホッ、」
「もう大丈夫そうやね、びっくりしたな 大丈夫やで。」
まだ吐き気する？って聞いても 、せえへんかったって答えるし、
たぶん高熱で気分悪うてってだけなんやろうな 。
「片付けるからいったんリビング行こ、」
「 ん、」
んって、手ひろげられても(笑)
あっつい身体を抱きおこして、ほぼほぼ抱えながらリビングのソファに寝かしてやった。
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作者名：こゆ | 作成日時：2016年3月25日 1時
