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第30話 ページ32

『カブさーん!!』

カブ「Aちゃん!」

勢いのまま飛び付けば、カブはよろけること無くしっかりとAを受け止めた。

『優勝、しましたよ!』

カブ「うん、おめでとう!頑張ったね!アーマーガアくんもお疲れ様!」

ワンパチのような笑顔で褒めて褒めてと言わんばかりのAをわしゃわしゃと撫でる。
後ろを着いてきたアーマーガアにも労いの言葉をかける事を忘れない。

カブ「本当に凄いよ!初参加で、しかも最年少記録なんてやったじゃないか!」

『へへへ、ありがとうございます!でもこれもガラルに来て途方に暮れていた私を助けてくれたカブさん達のおかげです!』

カブ「そんな大した事してないよ。あの時の事は1人の人間として当然の事をしたまでだし、今日Aちゃんが勝利を収めたのはキミとアーマーガアくん2人の力があっての事だよ」

街の人からも慕われているこの燃える男のなんといい人か!!Aの心の中のカブさん好感度メーターは天元突破しどこまで行くのやら。

ポケモンセンターへの帰路の途中、Aは意を決した眼差しでカブを見る。

『カブさん、私これから本格的に旅に出ようと思います』

カブ「!……そうか、そうだよね。旅の資金が集まれば他の地方へ行く予定だったね。どこへ行くかは決まったのかな?」

『いいえ、でもすぐ決まりますよ。……やりたい事も見つかったし、強くなるために今すぐにでも旅に出たいって思ってます』

カブ「そっか、Aちゃんがやりたい事を見つけられたのなら良かった。……身体には気をつけて、いつでもガラルにおいで」

『はいもちろんです!今度はジムチャレンジ参加してカブさんと全力で戦いたいですからね!』

カブ「うん、楽しみにしてるよ!」




────

翌日、朝一番にエンジンジムに荷物が届いていた。
差出人はA。
手紙と一緒に着いてきた段ボールにはガラルで人気のお菓子の詰め合わせとちょっといいきのみ各種が箱詰めされている。
手紙の内容は直接お別れをいえなかったことの謝罪と、朝一番の飛行機でカントー地方へ向かった事が書かれ、末尾には大きな字でいってきます!と書かれている。


カブ「あぁ、行ってらっしゃいAちゃん!」



───────

A…
カブさん大好きっ子に進化。ガラルはもうひとつの実家。
旅先はサイコロで決めた

カブ…
Aの保護者。いつでも帰っておいで^^

両親▲▽…
ポケセンに慌てて電話するも既に本人は旅立ったと聞き頭を抱えている

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作者名:黒梨 | 作成日時:2023年5月16日 22時

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