第21話 ページ23
翌日、朝一番にカブはAの元を訪れた。
両親に連絡したこと、気の済むまで旅をしてこいと伝言を預かった事、そして何よりAの様子を心配してわざわざジムから離れたこのポケモンセンターまで、彼女の分の朝食を持って足を運んだのだ。
カブ「僕の手作りで悪いけどね、口に合えば良いけど……」
『すごいおいしいです……!』
カブ「ほんと?気に入ってくれたのなら良かった。嬉しいよ」
カブが作ったというサンドイッチを2人で食べながら、これからどうするかについて話し合う。
カブ「君の両親からは、荷物をこちらに送ると言われていてね、3日ほどで届くと思うよ」
『3日……』
カブ「うん、だからその間も此処を使うといいよ。ジョーイさんも問題ないと言っていたからね」
『ポケモンセンターってすごいですね』
カブ「本当にね。ポケモントレーナーにとっては無くてはならない場所だと思う。僕も頭が上がらないよ」
ポケモンの回復も常に無償で行われ、さらに宿泊所も有しているポケモンセンターはカブの話す通り、ポケモンと共存するこの世界において必須の場所だ。
カブ「Aちゃんは、今後どうするか考えているかい?」
『あまり具体的なことは……。ガラルのジムを回ろうかと思ったんですけど、ジムチャレンジの登録期間はもう終わってるんですよね?』
カブ「そうだね、今年の受付は既に終了していたよ。……うーん、となるとガラルでのジム巡りは今年は無理だろうね」
『はい、だから他の地方に行こうと思っているんですけど流石にまたアーマーガアに頼る訳にも行かないし、そもそもここからだと1番近くてイッシュ地方なので……飛行機を使うにも今お金ないので……ファイトマネー貯めるにもまだまだポケモンたちも育ってないし……なので地道に野生のポケモンを相手に、まずは強くなっていこうと思ってます』
カブ「そうか。そこまで考えているのなら僕から言うこともないかな。でもいつでもAちゃんの力になるから、困った事があったり聞きたいことがあればエンジンシティジムに来るといいよ。ポケモンの育て方とかも、僕の専門はほのおタイプだから、そういった面でも役に立てると思うな」
『ありがとうございます!そういえば、ほのおタイプなら兄から貰ったヒトモシがいるんです』
カブ「へぇヒトモシくんか!僕のジムでもヒトモシくんを連れたトレーナーや何体かいるから、気軽においで」
『はい!ありがとうございます!!』
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作者名:黒梨 | 作成日時:2023年5月16日 22時