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第13話 ページ15

ネズに背中を押され、翌日Aは寝ぼけ眼の父親を引きずりワイルドエリア……あのアーマーガアの巣穴にやって来た。その手にモンスターボールを握りしめて。

『いーい?父さんははなれたとこで見てて。アーマーガアあんまり父さんのことすきじゃないみたいだから』
「せめてオブラートに包んでくれなきゃお父さん泣いちゃう」
『ほらはやく』
「娘が冷たい……」

あのアーマーガア、中々に鋭いのかバトル廃人の気配を父親から察し、近づこうものなら翼を広げて威嚇する程には警戒している。

『アーマーガア』

巣穴を覗き込み、その名を呼べば羽ばたく音と共にAの呼び掛けに応えた彼はやって来た。

何用だ、と問いかけるような目にAはぐっと息を詰まらせる。もしも嫌だと言われてしまったらどうしよう?そんな考えが頭の中をぐるぐると回る。
それでも、何もしないのは我慢ならなかった。
深呼吸をしてぐっとモンスターボールを握り、アーマーガアの前に向ける。

『わたしのポケモンになってください』

「!」

『……はじめてみたときから、はじめてそのせなかにのってとんだときから、アーマーガアがすきになった。ほかのアーマーガアじゃなくて、あなたがいいとおもった。……バトルするよりも、わたしはあなたにのってせかいじゅうをとびたいとおもったの』


─だから、わたしといっしょにきてくれませんか?─


一世一代のプロポーズの様な言葉にアーマーガアは静かにAを見つめる。

やがて、アーマーガアは心得たと言わんばかりに大きくひと鳴きしてAの持つモンスターボールにコツンと触れた。
赤い光に包まれたアーマーガアはモンスターボールへと吸い込まれ、晴れてAのポケモンとなったのだ。

『!ッこれからよろしくね、アーマーガア……!』

その言葉に応えるように、手の中のモンスターボールがカタリと震えた。




───────

A…
この度はじめてのポケモンを友情GETした。

アーマーガア…
日々を過ごす内にAに絆された。バトルするより飛ぶ方が良い?勿論いいぜ!

父…
影から見守ってた。
アーマーガアとはじめて目が合った時は「ガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」という野太い声と翼をめっちゃ広げてバッサバッサされてハチャメチャに威嚇されたので怖い。
Aのアーマーガアへの言葉が完全にプロポーズのソレで将来無自覚魔性の女にならんか心配。

▲▽…
父がAの初ゲットの様子を録画したの見た
妹の成長に泣いた

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作者名:黒梨 | 作成日時:2023年5月16日 22時

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