モンドへ ページ3
タルタリヤさんを見送ってから私もモンドへ向かう準備をする。
手持ちのお金が無かったけど宿の人たちのご好意で旅支度に必要な備品を譲っていただいた。
「本当にありがとうございます。必ずお礼をしに参ります!」
「いえいえ、こんな辺境ですからお客様に来ていただくこと自体ありがたい事ですので」
確かに、ここは人里からも離れている。
璃月に訪れた外国人や地元の人でさえあまり知られていないのかもしれない。
……ディルックや父に相談してアカツキワイナリーの流通経路拡大の起点の一つにしてもらうのはどうだろうか。
数日に渡る出張で野宿も多いとお父さんに聞いたことがある。
野宿の為のテントや調理器具を運ぶ貨物を考えると費用としてはそこまで大きく差は出ないかもしれない。むしろしっかりとベッドで休めて入浴や暖かい食事もできるのだ。ひょっとして本当に良い案かもしれない。
怖いことや辛いこと続きだったここ数日で一番心晴れやかかもしれない。
そんな良い兆しを感じながらモンドへの帰路を歩いた。
ーーーーーー
宿の方にもらった地図を広げながらモンド城がある方角へひたすら進む。
「こっちだと遠回りだけど比較的安全かな…」
このまま行けば半日もかからず到着しそうだ。
日はまだ高い。よし、大丈夫だ。
青空を見上げたら、一羽の鷹がその大きな羽いっぱいに風を受けている姿が見えた。
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作者名:カリン | 作成日時:2023年1月31日 10時