人工空の下で -Alan.S- ページ10
久しぶりの亜嵐くんとのデート。
ずっと行きたかったプラネタリウムに連れて行ってもらえることになって…久々なこともあって、すごく気合がはいった。
だから亜嵐くんの好きそうな服を選んでめいっぱいオシャレして…楽しみすぎて30分前には待ち合わせ場所で待ってたのに。
亜嵐くんは大幅遅刻。
そのせいでプラネタリウムは予定していたひとつ後の上映を見ることになって。
それでも、平日の昼間ということもあってほぼ貸し切りみたいな状態で…ロマンチックなシチュエーションだったのに。
静かになったと思ったら横の亜嵐くんは豪快に熟睡中。
『はあ…』
そりゃあため息もでるよ…。
『亜嵐くん、終わっちゃったよ。起きてー』
「…んー」
『亜嵐くんってばー』
揺すってもぼんやりした声を出すだけで、なかなか起きてくれない。
清掃員の人が来ちゃう、と思ったけど…たぶん人が少ないからそんなにすぐ清掃しないんだろうな…。
『綺麗な顔して寝ちゃって…』
亜嵐くんの正面に回って頬をつつく。
…まだ起きない。
『……せっかくのデートなのに』
軽く頬をつまんでもビクともしないし。
『ばか亜嵐…』
「…誰が馬鹿だって?」
『えっ…?』
突然開かれた瞳と言葉に驚いて身じろぐと、亜嵐くんは頬に触れていた私の手を強引に引き寄せた。
勢い余って亜嵐くんに軽く乗りあげてしまうような体制になると、唇にあたたかい感触。
そのまますぐに舌が入り込んできて、びくりと肩が揺れた。
『ん、ちょ…っあ、亜嵐くん!ストップ!』
「やだ」
『やだじゃない…っ』
「Aが馬鹿とか言うから、お仕置き」
何言ってんの。
寝ちゃった亜嵐くんが悪いくせに。
そう思ってもまた唇を塞がれて言葉にならなくて…ジワジワ涙が出てきた。
「……ごめん。どう考えても寝ちゃった俺のが悪いよな」
謝りながら涙を拭ってくれる亜嵐くんは、少し困ったような笑顔。
「拗ねてるAが可愛くてさー…途中から寝たふりしてた。ごめんね」
二度目の謝罪の言葉と一緒に、そっと触れるだけのキスが降ってくる。
…こんなのされたら、怒るに怒れないし。
「今度は、ちゃんと本物見に行こ。……二人だけで」
そう言って、優しく手を繋いでくれる亜嵐くんは…やっぱり、理想の彼氏。
それがちょっとだけ悔しくて強く手を握り返すと、静かな室内に亜嵐くんの楽しそうな笑い声だけが小さく響いた。
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ゆと(プロフ) - りあさん» コメントありがとうございます。大変失礼致しました。修正しました。 (2015年2月11日 17時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - いきなりごめんなさい亜嵐のローマ字表記はALANですよ (2015年2月7日 11時) (レス) id: 601b6c9cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - さんさんめさん» コメントありがとうございます!きゅんきゅんしていただけて安心しました…!更新頑張っていきますのでお付き合いよろしくお願いします。 (2015年1月29日 19時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
さんさんめ - めっさ きゅんきゅんします !! *\(*'ν'*)/* 更新岩張って下さい ! (2015年1月14日 22時) (レス) id: 240a59d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります! (2015年1月9日 21時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆと | 作成日時:2014年11月19日 0時