永遠の約束 -Ryuto.K- ページ7
クリスマスソングが街中に鳴り響く聖夜。
私と龍友くんは一緒に買い物をしてイルミネーションを見て、そのあとはオシャレなレストランで食事を…してない。
『はー…』
隣にはテレビを見ながらのんびりコーヒーを飲んでる龍友くん。
そりゃあため息もでる。
せっかくのクリスマスなのに、自宅で…しかも龍友くん全然相手してくれないし。
『ね、龍友くん』
『龍友くーん』
『数原さーん』
ずっとこの調子。
名前を呼んでもちっとも反応がないし、どこか上の空だし。
もしかして、別れ話とかされるのかな。
クリスマスに別れるカップルも多いって聞くし。
学生の頃からの恋人なんて、もう重いのかな。
あーなんか…泣きそうかも。
「……あのさ、A」
そんなことを考えていると、龍友くんから初めて話しかけられた。
心臓がドクリと大きく跳ねる。
『な、なに?』
「…もうやめない?この関係」
ああやっぱり。
そんな言葉、家で聞きたくなかったな。
逃げられないじゃん。
こみ上げてくる涙に耐えられなくてうつむくと、龍友くんがポケットから何かを取り出すのが見えた。
「俺、もっとちゃんとAのこと大切にしたい。だから……俺の、お嫁さんになって?」
『……えっ?』
龍友くんから発せられたのは、私の予想とは真逆の言葉。
驚いて顔を上げると、その勢いで目尻に溜まっていた涙がひとつポタリと落ちた。
「え、A?」
泣いてる私に、慌て出す龍友くん。
『あ、あの、違くて!私てっきり別れ話かと思ったから、それで…』
それが移って私も慌てるように早口で弁解すると、龍友くんは私のことを抱きしめてくれた。
「俺がAのこと手放すわけないじゃん…ごめんな、俺の言い方が悪かった」
耳元に龍友くんの低めの声が響く。
そっと身体を離すと、龍友くんはまた私の目を見て口を開いた。
「改めて…A。俺と結婚してください」
エンゲージリングを差し出されて、さっきまでとは違う涙が溢れ出すのがわかった。
『は、はいっ…!』
なんとかそれだけを絞り出すと、龍友くんはくしゃくしゃの笑顔でリングを薬指にはめてくれる。
「よかった…断られたらどうしようかと思った」
『ううん…私、ずっと待ってた。龍友くんがプロポーズしてくれるの』
そう言うと、龍友くんは私の唇に軽く触れるだけのキスを落とした。
泣いたり笑ったり忙しかったけど…今日が、人生で最高のクリスマス。
Piercing -Hayato.K-→←私だけの -Mandy.S-
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ゆと(プロフ) - りあさん» コメントありがとうございます。大変失礼致しました。修正しました。 (2015年2月11日 17時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - いきなりごめんなさい亜嵐のローマ字表記はALANですよ (2015年2月7日 11時) (レス) id: 601b6c9cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - さんさんめさん» コメントありがとうございます!きゅんきゅんしていただけて安心しました…!更新頑張っていきますのでお付き合いよろしくお願いします。 (2015年1月29日 19時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
さんさんめ - めっさ きゅんきゅんします !! *\(*'ν'*)/* 更新岩張って下さい ! (2015年1月14日 22時) (レス) id: 240a59d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります! (2015年1月9日 21時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆと | 作成日時:2014年11月19日 0時