三ツ谷side ページ22
やっと篠崎を引き剥がし
手芸部の部室に逃げ込む
以前手芸部に入り浸られそうになった時
関係者以外立ち入り禁止だと伝え引き下がってもらった
今では屋上の秘密の場所と部室、授業時間だけが
憩いの場と言っても過言ではない
安田｢部長大丈夫ですか？大変そうですね｣
山田｢私達も何か力になれれば良いんですけど｣
心配させてしまっている部員たちは
皆申し訳なさそうにショボンとしている
三ツ谷｢いや、安田さん達が悪いわけじゃないから。大丈夫だから心配しないで。それより皆、文化祭で披露する作品作りに集中な｣
部員たちが作る服や小物類の作り方を
一通りアドバイスして回り
窓辺に寄りかかって外を見れば
今日1日ムスッとしていたAが目にとまった
教室での様子と打って変わって
笑顔でハツラツと部活に打ち込むAを
ボーと見ていれば
新しくデザインのアイデアが浮かんできて
スケッチブックにデザインを書き留めていく
安田｢新しいデザインですか！最近デザインの種類が増えましたね。部長は今度の文化祭何作るんですか？｣
三ツ谷｢あー。まだ決まってないけど。どうするかな…｣
手芸部では今まで作った作品の展示と
1人1着服を作り当日自分か
もしくは人に着てもらう事にしていた
デザインのデッサンを終えたところで
部員たちが興味深そうにチラチラと
見ているのに気づきスケッチブックを渡す
部員たちは渡されたスケッチブックを囲み
勝手に盛り上がり始めていた
『今回のも素敵』
『かっこいいデザインも可愛いデザインもできるなんて』
『最近は女性物のデザインが多くて私も着たくなる』
『売ってたら買いますよね』
『不良でも部長素敵』
『でも…』
最近部長の雰囲気が変わった…
初めは
しつこい女に付きまとわれているせいかと思っていたが
どうやらそれだけが理由ではないことに
その辺に聡い女なら誰もが気づく
デザインで盛り上がっていた部員たちは
そっと部長の様子を盗み見る
部長は窓辺に寄りかかり
今だ外を眺めていた
その視線の先に誰がいるのか…
誰を思ってデザインを描いているのか…
部員たちは切ない目で部長を見つめた
どれだけの時間が経っただろう
時間にしたら数分の事だったかもしれない
ふと部長が視線を部室内に戻し
部員たちは慌てて視線をスケッチブックへ戻す
三ツ谷｢そんなに気にいったなら、文化祭用にデザイン使ってもいいぞ｣
部長の何気ない言葉に
部員たちは思った
作れるわけない…！と
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くらら(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます (2022年6月12日 13時) (
レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
あ - 三ツ矢ではなく三ツ谷です…。作品自体は面白いので少し勿体ないような気がしました🙇♀️💦 (2022年6月12日 12時) (レス) @page5 id: 645db5c9a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらら | 作成日時：2022年5月30日 3時
