想い ページ3
私は怒られるどころか先生に凄く謝られた
男の子は笑って良かったなって言ってくれてたっけ
それが私と彼との初めての出会い
あれから2年
私達は中3になっていた
あれから彼とは特に接点はなく
いちクラスメイトとして過ごす日々
私も少しは成長して
最初は校内でこそ迷ったりもしたが
今では新入生を相手に校内案内も出来ている
あの時会った親切な彼が
この辺で有名な中学生不良グループ
東卍のメンバーだって事を後に知った
不良として有名にも関わらず
彼は人気者で
部長を務める手芸部の部室は女生徒で溢れていた
不良をやっていたとしても人気が衰えない理由は
私にも分かる
人に暴力を降るどころか面倒見がよく
間違ったことは正す正義感
あの人の優しさに触れて好きになるなって方が無理な話だ
かくいう私も入学式のあの日から
『三ツ谷隆』
彼の事が好きな女生徒の一人だ
自分の机に頬杖をつき教室内を見渡せば
窓際に寄りかかってお喋りに興じる三ツ谷が目に入った
ペーやん「三ツ谷、今日の集会来るんだろ?」
三ツ谷「ああ。部活終わったあとな」
ペーやん「じゃあ、部活終わったあと部室行くわ」
三ツ谷「おー」
パーちん「やめとけ。また手芸部の女子に怒られんぞ」
ペーやん「そうか」
あの3人は結構一緒にいる
いつも通りの平和で楽しそうな会話
これが私達の距離
ペーやんとパーちんが羨ましいような
でもこの距離感が私には調度いい様な
そんな事を思っていれば
教室の入口辺りから三ツ谷を呼ぶ声が聞こえた
教室の入口には数人の女子とモジモジとした女生徒が1人
あぁ…またか
呼び出された三ツ谷も何があるのか薄々察した様子で
教室から出て女生徒たちの後について行く
若干の不安とモヤモヤ感を感じながらも
感情に蓋をしてAは机に突っ伏した
何にイライラしてるんだろ…私
さっき私にはこの距離感が調度良いって思ったばかりなのに
三ツ谷君は良くああやって呼び出される
大体の用件は予想がつく
だけど特定の女の子と仲良くしている三ツ谷君は
見たことないから
誰とも付き合ってないんだと思う
それとも他校に恋人がいるのかな…?
最近は呼び出しが増えた気がする
多分中学最後の1年間で彼氏を作りたい女子が急増したんだろう
もしかしたらダメ元で記念に告白なんて人もいるかもしれない
想いを告げられるって凄い勇気が必要だと思う
私には出来ない
だってもしダメだったら…?
そう考えたら怖くてたまらない
206人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらら(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます (2022年6月12日 13時) (レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
あ - 三ツ矢ではなく三ツ谷です…。作品自体は面白いので少し勿体ないような気がしました🙇♀️💦 (2022年6月12日 12時) (レス) @page5 id: 645db5c9a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くらら | 作成日時:2022年5月30日 3時