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出会い ページ2

中学校の入学式

1年になったばかりの私は慣れない通学路に
周囲をキョロキョロと見回していた

去年両親が事故で亡くなり
年の離れた姉と2人力を合わせて生きていこうと誓いあった

だから家賃の安いこの辺で古いアパートを借りたは良いものの
土地勘がなくて道に迷ってしまった

昔から地図が読めなくて、方角だって分からない
そもそも地図ってどっちが上でどっちが下なの?
今私はどっちを向いててどっちに向かって歩いてるの?
方角だって方位磁石がない状態でどうやったら分かるの?

このままじゃ入学式に遅刻しちゃう
こんなことなら事前に学校までの道を歩いて置くんだった

泣きべそをかきながらウロウロとしていれば
同い年位の男の子に声をかけられた

「おい、そんな所で何やってんだよ?」

A「あ…あの、迷っちゃって」

男の子はため息をつきながらゆっくり近付いてきて頭を撫でる

「分かったから。泣くんじゃねーぞ。お前渋谷第二だろ?俺もちょうど今から行くんだ。連れてってやるよ」

A「あ、ありがとう」

不安で泣き出しそうだったAは、今度は安堵で涙目になり助けてくれた男の子を見上げた

「泣くなよ!いいな?」

Aは溜まった涙を服の袖で拭い必死で頷く

「良し、じゃあ行くぞ」

Aは促されるまま男の子について歩き出した

「それにしても、何でこんな時間にいるんだよ?」

A「え?だって9時に体育館前に集合って…冊子に」

Aは学校から渡された冊子を開いて、今日の予定表を男の子に見せる

それを見た男の子は訝しげにページをめくったり戻したりを繰り返した

「あー。これ製本ミスだな。前のページがなくなってる」

A「え?」

「本当は前のページから今日の予定は始まってるんだよ。8時に学校集合で入学式の段取り説明、その後9時に体育館前集合、入学式開始って感じだ」

A「え…じゃあ」

さっきまで遅刻しちゃうことが不安だったのに
既に30分以上も遅刻していることになる
その事実に青くなるAに、一緒に歩いていた男の子が慌てる

「大丈夫だ。学校のミスだろ。説明すれば怒られねーよ」

落ち着かせようと男の子はAの頭を一生懸命撫でてくれた

「俺は妹達の世話があって遅れたんだけど、あんたを見つけられたんだから良かったのかもな」

学校に着くまでいろんな話をしてくれた男の子
お陰で不安や緊張は大分落ち着いた

私を職員室に案内し、遅れた理由を一緒に説明してくれた

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くらら(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます (2022年6月12日 13時) (レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
- 三ツ矢ではなく三ツ谷です…。作品自体は面白いので少し勿体ないような気がしました🙇‍♀️💦 (2022年6月12日 12時) (レス) @page5 id: 645db5c9a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くらら | 作成日時:2022年5月30日 3時

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