カラフルボックス

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ユウキさんが試合に出向けばメディアもこぞってやって来る。
そうなると当然インタビューという事になる訳で…


「A、ちょっと持っててくんない？」


これからインタビューを受けるからと、背負っていたリュックを頭に乗せられてどうしてイラつかないでいられようか。


「答えを聞く前に押し付けてるじゃねーですか」

「拒否権があるとでも？」

「じゃあ、聞かないでくださいよ！」


分かりましたよ！と後ろに自分のリュック、前にユウキさんのリュック。肩に救急セットを掛けて、もう、何か、旅行ですか？状態だよ。全くもう。

インタビューをするのであろう女子アナとスタッフ達とにこやかに談笑するのを憎々しさを覚えながら横目で見つつ、先に行ってしまったチームのみんなを追い掛けようと早足になっていた時だった。


「ねえ。あなたC大のマネージャーだよね？」


紛れもなく自分に該当する言葉に足を止めキョロリと辺りを見渡すと、険しい顔した女の子が３人。多分…年上？何となくだけど。

着ているジャージに記されているのは良く知る大学名とバレーボール部の文字。
そこの大学とは練習試合などで何度か顔を合わせているけどマネージャーさんでもないから、女子部の人だろうか。


「何でしょうか」

「あんたちょっと石川くんに馴れ馴れしくない？」


出た！出たよ！ユウキさんの熱烈ファン！
近付く女は皆敵って感じで牙を剥くんだよ。
大学でも「石川くんに近づき過ぎ！」とか「いい気になってる！」とかたま〜にネチネチ言われた事ある…勿論大半の人は好意的で「頑張ってね」と応援される…もん！
迷惑！ホントに迷惑！

ユウキさんは悪くないんだけど、それは分かっているんだけど言わせて欲しい…。

ユウキさんのバカ野郎〜！


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