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洗濯をした事で白さと、詰め直した綿で張りを取り戻したシロクマさん。
マサさん愛用の柔軟剤の香りをまとって良い感じ。
「マサさん。今度クマさんに洋服を作ってあげても良いですか?この腹巻?チューブトップ?も可愛いんですが」
俺の提案を快く了承してくれたマサさん。
とりあえずマサさんのチームのユニフォーム各色を作ってみようかなぁ。
でもデザインがちょっと難しいな。
「A」
「はい?」
「ありがとな、コレ」
クマさんの手を持って万歳をさせているマサさんに思わず笑っちゃいながら、大きな肉球とハイタッチ。
「今度お礼に何か奢る」
「え?いいですよ、俺がやりたくてやった事ですし…」
「良いから奢らせろ。先輩の言う事は聞くもんだぞ」
約束、と差し出された小指。
おずおずと小指を絡めると、俺とマサさんの糸同士を結ぶようにキュッと力を込められた。
ああ、どうしよう。
ここ最近の齎される些細な事が嬉しすぎて、何気ない時間が愛おしすぎて、涙腺がすっかり緩んでしまっているようだ。
「泣き虫だな、お前達は…」
「すみません…」
「でもお前の場合、感情を素直に出せているって事が進歩だからな」
胸の傷は時折小さく痛むけれど。
「マサさん…」
過去を思い出すと胸が裂ける程苦しくなるけれど。
「ん?」
それでも、痛みも苦しみも慟哭も…
「俺に過去と向き合う力を貸してくれませんか…?」
過去の自分を真正面からしっかりと抱き締めて、受け止められるようになりたいと思うのだ。
だってそれは…
「あぁ。勿論だ」
過去の自分が何より欲していたものなのだから。
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速水(プロフ) - ゆめさん» 嬉し過ぎるお言葉ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります! (2016年6月10日 23時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 速水さんの作品大好きです!特に、ヘタレ選手が好きなのです!これからも更新を楽しみに待ってます! (2016年6月10日 1時) (レス) id: 44f44b19a6 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ? yu ?さん» 本当ですか!?ありがとうございます!嬉しすぎるお言葉です! (2016年6月9日 15時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
? yu ?(プロフ) - ハムスターのしつけ方 、すごいよかったです!連載化してほしいレベルです(´・_・`)笑 (2016年6月9日 14時) (レス) id: f79162b6f0 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ゆらぎさん» 需要ありますか!?良かった!また思い付いたら受難シリーズも更新させて頂きます! (2016年1月27日 14時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:速水 | 作成日時:2015年10月24日 1時