カラフルボックス

2 ページ37

マサさんのクマさんの綿の詰め替えをするという約束を果たすべく、大量の手芸用の綿を抱えてマサさんの寮にやって来たのが昨日の夜。
駅に迎えに来てくれたマサさんに連れられ、有難いことにご飯をご馳走になり、宿泊許可を取って貰った寮に戻ったのは日を跨ぐ辺りで移動の疲れもあったけど、寝てしまうのは何だか勿体なくて、寝かそうとする眠気と戦ったけど、敢え無く撃沈…。

次の日、先輩より先に寝てしまった事への申し訳なさと、せっかくマサさんに会えたのに勿体無い時間の使い方をした自分への不甲斐なさに凹む俺をマサさんが引きずって寮の食堂に行けば、全日本でお世話になった先輩達や雑誌などで良く知る選手達の姿に緊張のあまり今度はフリーズしてしまい、再度マサさんの手を煩わせる結果となってしまった…。

食堂から戻り、早速クマさんのお腹を開かせて貰い、へたってしまった綿を取り出して、皮を洗濯。そして、今。

すみません、としょぼくれる俺に「わざわざここまで来て貰ったのは俺なんだから、少しくらい世話を焼かせろ」と笑ったマサさんは本当にお兄ちゃんであり男前だった…。
お陰で浮上出来たんだけど…。

パタパタと揺れるシロクマさん(の皮)が何だか笑いを誘って、思わず写メをパチリ。


「何で写メ？」

「シロクマさんが気持ち良さそうだったので」

「確かにな」


こんなふうに柔らかく微笑むマサさんは、きっとファンの人達が見たら狂喜乱舞ものだろうなぁ。


ー

3→←晴れ渡る空(ヘタレ選手番外編#15)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す