ある青年の受難３(#12)男主 ページ32
「正直な話。凄い面倒臭い事させてるよな、俺」
ポンと投げた言葉のボールは受け取られる事なく地面にポトリと落ちた。
つまり、無視。シカト。
「ちょっと、アキ。聞いてる？」
ねえ、と隣に立つアキの袖を引っ張ると、ものすんごい迷惑そうな顔で見下ろして来た。
「お前がそう言う振りをして来る時は得てしてネガティヴ発言でウジウジ言って来るから聞きたくない」
「ねえ、何で山内くんは俺にそんなに辛辣なの？冷たいの？泣いちゃうよ？」
「山内くん言うな。気持ち悪い。泣くなら泣け」
「酷くない？ねえ、酷くない？優貴くんブロークンハートだよ？ガラスの心はズタボロよ？」
「ひとまとめにして捨ててしまえ」
おい、シンデレラボーイ。
もうちょっとプリンセスらしく可愛げをみせなさいよ。
「記者さんとかアナウンサーの人がさ、俺を呼ぶ時、いちいちフルネームで呼ぶの面倒臭いだろうなぁって思ってさ」
もう良いやと問答無用で当初言おうとしていた言葉を投げつけると、今度は渋々ながらもキャッチしてくれた。
凄い不本意そうだけど。
「お前って何でそんな自分の名前にネガティヴな訳？」
「いや、だってね？お前もなってみなさいよ。誰かと名字と名前が同じにさ。例えばフカツ クニヒロとかデキタ ヨシフミとかさ」
「…………何となく嫌、かも？」
「ほらあ！」
何度も何度も言うけど、八薙田 優貴という名前は嫌いじゃないよ？
何ていうか、ヤナギダもユウキも良くある名前なのにさ、同じなのがマサさんとユウキだからさ。
しかも、同姓同名ならいっそ諦めが付くんだろうけど、それぞれってのがさ。
どっちにも逃げられんないんだもん。
「だからお前も八薙田優貴の名前を世間に知らしめろよ。そしたら世間は何も言わねえよ」
「おう、正論…」
正しくです。正しくその通りです。
マサさんもユウキもその実力で世間に名前と存在を知らしめたんだから。
確かにあの2人は見目も良いけどそれだけじゃあの人気は出まい。
ー
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速水(プロフ) - ゆめさん» 嬉し過ぎるお言葉ありがとうございます！これからも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2016年6月10日 23時) (
レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 速水さんの作品大好きです！特に、ヘタレ選手が好きなのです！これからも更新を楽しみに待ってます！ (2016年6月10日 1時) (レス) id: 44f44b19a6 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ? yu ?さん» 本当ですか！？ありがとうございます！嬉しすぎるお言葉です！ (2016年6月9日 15時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
? yu ?(プロフ) - ハムスターのしつけ方 、すごいよかったです！連載化してほしいレベルです(´･_･`)笑 (2016年6月9日 14時) (レス) id: f79162b6f0 (このIDを非表示/違反報告)
速水(プロフ) - ゆらぎさん» 需要ありますか！？良かった！また思い付いたら受難シリーズも更新させて頂きます！ (2016年1月27日 14時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：速水 | 作成日時：2015年10月24日 1時
