カラフルボックス

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将洋の卒業後、東京と大阪と離れ離れになり、将洋は練習に仕事にどんどん忙しくなり、私は寂しさを紛らわすために仕事に打ち込んだ。
その内、連絡を取る回数も減り、結局自然消滅。
ずっとそばにいた私達だから、遠距離恋愛は難しかったんだ。

声が聞きたいから電話をするけれど、声を聞けば聞くだけ会いたくて堪らなくなる。
でも、なかなか会いに行けないし、将洋も会いに来られない。
寂しさに支配される心。
大人になって、声を聞ければメールが出来れば幸せなんて言えなかった。
自然と解けていく、私と将洋の恋人という結び目に悲しくならなかったと言えば嘘になる。
だけど、ホッとしている自分もいた。
これで胸に穴が空いたような寂しさに襲われなくても済む、と。

それでも、私は未だに将洋が忘れられずにいる。
他の男の人とお付き合いをする寸前まで行った事もあるけれど、結局将洋を思い出して恋人になるまでには至らなかった。

将洋の中にもう私はいないだろうけど、私の心は未だ将洋に向いている。

何て未練がましい。
何て都合の良い。
自分でも笑っちゃうね。

だから、試合があれば必ず行ってしまう。
将洋に会えるのは試合会場でしかないんだもん。
チームのサイトやメディアで近況が分かるけど、自分の目で元気だって事を見たいの。

月日を追うごとに将洋は有名になる。
将洋は魅力的になる。
だけど、時間の流れに私だけが乗り遅れている。

将洋が好き。

その気持ちのまま止まっている。



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