カラフルボックス

そのままの君が好き(#8) ページ2

「痩せる！痩せてやる！」


おー！と鼻息荒く宣言しているけど、正直俺としては「はんた〜い」と声高らかに宣言したい。


「何で急にダイエット宣言な訳？」

「人生で一番の重量になった！それに…」

「それに？」

「こんなんだったら恥ずかしくて祐希の隣に並べない…」


顔を赤くして俯きがちの上目遣いは堪らなく可愛くて、いつもならキスのひとつでもしてやろうとなるんだけど、今出てきたのは「は？」と声。


「だって、ワールドカップから祐希の注目されっぷりって凄いんだもん！」

「うん、まあ…、それは認めるけど…」


街を歩いていて声を掛けられたり、写真を撮られたりする機会は比べ物にならないくらい増えた。
しかもバレー選手の場合、デカいから余計に目立つんだよな。
顔とかは帽子やメガネとかで何とかなるんだろうけど、身長は隠せないからなぁ。


「私のせいで祐希の評価が下がるのは嫌！だから痩せる！芸能人のような美人にはなれないけど、せめて痩せる！」

「俺的には周囲からどう思われてもどーでも良いんだけど…」

「私が良くない！」

「ソウデスカ…」


俺的にはAのフニフニの二の腕とか、柔らかなお腹とか、顔をふにゃんとしながら美味しそうに食べる姿が好きなんだけど…。

そんな事を言ったら「やっぱり太ってるんだ！」とヘソを曲げるのは目に見えているから思うに止めておく。


「ねえ、ホントに痩せるの？」

「痩せるの！痩せるったら痩せるの！」

「ふうん…」


でも、俺は




そのままの君が好き。

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