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着替えを済ませた私は、覚悟を決めて、ゆっくりと、浴室のドアを開けた。
これからは、いかに気配を消して通りすぎるかが大事だ。
クマさん柄のパジャマ姿、見たら爆笑されるかもしれない。
そーっと、そーっとリビングを通り過ぎる。
寝室のドアがやけに遠く感じるけど、頑張るしかない。
『Aちゃん、何してんの？』
『ひっ！』
スッピンを見られたくなくて、とりあえずポーチで顔を隠して、目だけ出す。
さも不思議そうな顔で、にこりと笑いながらソファーから紫耀くんが見てる。
『・・気付いた？』
堪えきれないように紫耀くんが吹き出す。
『ちょっ。当たり前じゃん！こっちは待ってんのに。
寝る前に、何か飲まない？』
あぁ、完璧なシュミレーションが見事に崩れ去った。
待ってたって、恥ずかしすぎる・・。
でも、何だか紫耀くんの言葉が心地良くて、もう少し、そばにいたいな、なんて思ったりして。
『う、うん』
『ここ、おいで』
寝室に荷物を置くと、ドキドキしながら紫耀くんの隣に座った。
『何飲みたい？』
『じゃあ、ホットミルク、お願いします』
『了解。ちょっと待っててね』
私の頭をポンと触って、紫耀くんはキッチンへ向かい、ちょうどいいぬるさのミルクを用意してくれた。
『ありがとう。いただきます』
美味しい。
思わずにっこりした私を、隣の紫耀くんが覗き込む。
『Aちゃん、今って、スッピンなの？』
『だっ！あっ。・・うん』
思わず体ごと背を背ける。
『ごめん！ちがうの。メイクしてる顔と、変わらないくらい可愛いから、ビックリして』
『・・本気で言ってる？』
『もちろん！ねぇ、こっち向いて〜』
恥ずかしさを堪えて、紫耀くんのほうに体を向ける。
『うん、やっぱり可愛い』
そう言って、ふわりと抱きしめられて。
パジャマも、可愛くて似合ってるよって言ってくれる。
その優しさが嬉しくて、紫耀くんの胸元の服を握りしめた。
『落ち着くなぁ〜』
『ふふっ』
紫耀くんは、抱きしめた腕をなかなか離してくれない。
『紫耀くん？そろそろ・・寝ませんか？』
『一緒に？』
『絶対ダメ！』
全く、油断大敵な彼氏さんだ。
『ごめん、冗談だってば。ハハハハッ！』
『いじわる・・』
ちょっとむくれた顔のまま、ソファーから立ち上がった。
『あ、待って！』
紫耀くんの片手が、私の手を掴んだ。
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恋柱(プロフ) - しおりさん» お読み頂きありがとうございました！適当に思い付いた名前でしたが、楽しんでいただけたら幸いです^_^ (2021年5月25日 15時) (
レス) id: fd5afe153c (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - おすすめで見付けてしまって一気読みしてしまいました、、、可奈ちゃん？が高校時代のクラスメイトと同じ漢字で驚きました。笑 主人公ちゃんと平野が幸せになって良かったです！ (2021年5月25日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - tommy20381さん» こちらこそ、新年から舞い上がるような嬉しいコメントを頂き、本当にありがとうございます！皆様に愛して頂けて幸せな作品でした。 (2020年1月5日 17時) (レス) id: c5a5700a1a (このIDを非表示/違反報告)
tommy20381(プロフ) - 新年早々素敵な書き手さまに出会えて幸せいっぱいです。こんなにドキドキキュンキュンできる物語に出会えるなんて！世に出してくださってありがとうございます。幸せのおすそ分けありがとうございました！！ (2020年1月5日 16時) (レス) id: 0f16d2b4ee (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - 杏奈さん» そんな風に言って頂けて、本当に嬉しいです！ありがとうございます。書いていて本当に楽しい作品でした！ (2019年12月15日 19時) (レス) id: 4cde4d0176 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢
| 作成日時：2019年11月17日 0時
