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エレベーターはノンストップで上がって、誰にも会わずにフロアに到着した。
『ついたよ、俺の家』
そう言われて開けられたドアから広がる、電気を付けても薄暗い空間。
そして漂う、すごく良い香り！
『・・お、お邪魔しま〜す』
『ふふっ！そんな緊張しないでよ。ゆっくりくつろいで？』
いや、いくら彼氏の家とはいえ、紫耀くんの部屋でくつろげる自信が無いですが・・。
『ところでさ、この荷物、いったい何が入ってんの？』
紫耀くんが不思議そうに笑いながら聞いてくる。
当たり前のように私の荷物を持ってくれていた事に、今更ながら気付いて。
『ごめんね！重たいのに・・。え〜っと、こっちは誕生日ケーキで、こっちは料理を作ろうと思って、材料が入ってて。あと、これは、今日ホテルに泊まる用の着替えとか・・』
『これ全部・・抱えて持ってきたの？俺のために？』
『・・迷惑だった、かな？』
『んなわけないだろ』
そう言われたかと思えば、強く抱きしめられて。
怖いくらいにドキドキする。
『ずっと、ずっと逢いたかった。こんなに嬉しい誕生日、初めてだよ』
『紫耀くん・・』
愛しさが込み上げて、抱きしめられたまま、思わず紫耀くんの洋服をギュッと掴んだ。
『ちょっ！可愛い。あ〜、もう！ほんとに可愛い！』
わしゃわしゃと悶える姿が可笑しいやら、恥ずかしいとやらで、ひとしきり笑いあった。
『あ、お腹空いてるでしょ？すぐに用意するから、待っててね』
『うわ〜っ！めっちゃ新婚さんみたいやない？
Aちゃん、何作ってくれるの？』
エプロンを着けて、保冷バックから出した材料を次々に並べる私の横から、キラキラした瞳で聞いてくる。
いや、そんな綺麗な顔で、真近で見つめないで欲しい。
『えっと、パスタとサラダと、野菜スープ。嫌い？』
一応、アレルギー多めの紫耀くんが食べれそうな物をチョイスした。
『大好き』
そう言って、紫耀くんは後ろから私をそっと抱きしめた。
『やっ・・！』
耳元にかかる熱い息に、思わず変な声が出た私を少し笑って、紫耀くんはどこかへ行った。
お願いだから、料理が完成するまで近づかないで欲しい。
大急ぎで、夕食の準備に取り掛かった。
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恋柱(プロフ) - しおりさん» お読み頂きありがとうございました！適当に思い付いた名前でしたが、楽しんでいただけたら幸いです^_^ (2021年5月25日 15時) (
レス) id: fd5afe153c (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - おすすめで見付けてしまって一気読みしてしまいました、、、可奈ちゃん？が高校時代のクラスメイトと同じ漢字で驚きました。笑 主人公ちゃんと平野が幸せになって良かったです！ (2021年5月25日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - tommy20381さん» こちらこそ、新年から舞い上がるような嬉しいコメントを頂き、本当にありがとうございます！皆様に愛して頂けて幸せな作品でした。 (2020年1月5日 17時) (レス) id: c5a5700a1a (このIDを非表示/違反報告)
tommy20381(プロフ) - 新年早々素敵な書き手さまに出会えて幸せいっぱいです。こんなにドキドキキュンキュンできる物語に出会えるなんて！世に出してくださってありがとうございます。幸せのおすそ分けありがとうございました！！ (2020年1月5日 16時) (レス) id: 0f16d2b4ee (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - 杏奈さん» そんな風に言って頂けて、本当に嬉しいです！ありがとうございます。書いていて本当に楽しい作品でした！ (2019年12月15日 19時) (レス) id: 4cde4d0176 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢
| 作成日時：2019年11月17日 0時
