続・推しのマネージャーになりました(松村北斗) (ページ7)

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記憶3 ページ7

退職して、ほっくんから離れる日まで、もうあと少し。

後戻り出来ないように、なるべく遠くに行きたくて、海外で働く事にした。

行き先はアメリカ。

奇跡的に日本企業での仕事が見つかった。

日本にいたら、どうしたってSixTONESを、ほっくんを探してしまうから。

SNSも積極的に取り入れている彼らだから、世界中どこに居たって同じかもしれないけど、それでもTVや雑誌を目にしないだけでも違うかなって。

これから先、ほっくんに新しい恋人が出来ても、知らずに済むかもしれないし。

どこまでも自分勝手な考えに呆れながら、時間が合えば、いつも通りの顔してほっくんに会って、その間には着々と荷造りやマンションの解約を進めていた。

そうして、ついに迎えた退職の日。

チーフや他の先輩マネージャー達、事務所スタッフ皆さんの協力のおかげで、SixTONESのみんなには洩れることなく、この日を迎えることが出来た。

『篠原さん、最後の仕事だよ。アイツらの新曲チェック、頼んだからね！』

『・・・はい！本当に、、今日までありがとうございました』

泣かない、絶対に。

そう決めて向かったレッスン場。

近づくたびに聞こえる賑やかな声が懐かしくて、扉の前でゆっくりと目を閉じた。

脳裏に浮かぶ、大好きなみんなの顔。

初めてマネージャーとして紹介された日の、温かいみんなの言葉に、私はどれだけ救われただろう。