恋4 ページ33
翌朝
カーテンから差し込む光で目を覚ました。
隣には、松村北斗。
夢じゃない?って思うけど、その逞しい身体も、端正な顔も、やっぱり彼で。
昨日は何度身体を重ねたんだろう。
『綺麗だよ』『愛してる』って、何度も言ってくれたのを思い出して、恥ずかしさと嬉しさが込み上げる。
時刻は午前6時。
私は休みだけど、ほっくん、そろそろ自分の部屋に戻らなくて大丈夫なのかな?
ふと心配になって、でも何だか愛おしくて、ぐっすりと眠るその頬に触れてみた。
『ほっくん、、』
小さく呟いた声に、彼は意外にもすぐに反応した。
『ん・・。おはよ』
少し掠れた声と、気だるい雰囲気に、ドキドキする。
『お、おはよう。あの、、時間大丈夫かな?って』
『あぁ、、』
ゆっくりと起きあがって、眼鏡をかける姿も懐かしい。
『6時か。うん、大丈夫。起こしてくれてありがと』
ふわっとした笑顔とともに、軽いキス。
『ふふ。幸せ』
『私も』
ほっくん達は、今日一日アメリカのショービジネスを見学したり、ほんの少しのオフを過ごした後、帰国すると話してくれた。
そして時間の許す限り、色んな話をして。
『じゃあ、、そろそろ部屋に戻るね。Aも気をつけて帰るんだよ?』
『うん、ありがとう』
あの日消した電話番号を、お互い再び登録して、名残惜しさを抱えたまま、ほっくんは長い廊下を何度も振り返っては手を振って、自分の部屋へと戻っていった。
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作者名:恋柱 | 作成日時:2021年6月17日 18時