続・推しのマネージャーになりました(松村北斗) (ページ24)

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再びページ24

『待って！』

誰もいない広いロビーの片隅。

背後から聞こえた、懐かしい声。

振り向くことの出来ない私と、戸惑ったような彼の気配。

『あの、、、。A、、だよね？』

躊躇いがちに呼ばれた、自分の名前。

それだけで、また涙が溢れた。

小さく頷いた私に、『やっぱり、、』と言って、彼が駆け寄る。

目の前に立つほっくんは、あの頃と同じように、優しい顔で私を見つめる。

『驚いた。まさかAが、アメリカにいたなんて。
なんて言うか、、ますます綺麗になったね』

『、、どうして？』

『え？』

『どうして、、？いつ私だって気付いたの？あんなに遠くにいたのに、、。メイクだって、今日はこんなに派手にしてるのに』

『ふは(笑)・・覚えてる？俺が前に言ったこと』

『うん、、』

''どこにいたって、絶対に探し出すよ''

そう。私が姫野さんに閉じ込められたあの時、ほっくんはそう言って、ヒーローみたいに助けてくれたんだ。

『実はね、割とすぐに気付いたよ？』

『そうなの？だって全然、、』

『いやそれはさ、ただでさえこんなパーティーに呼ばれて緊張してるのに、歌えなくなるでしょ？
Aの顔、しっかり見ちゃったら』

恥ずかしそうに笑う顔は、あの頃と何も変わらない。

『このパーティー終わったら、さ。ゆっくり話せないかな？』

『あの、、でも、、』

『お願い。ずっと、忘れたことなんてなかったんだ。
話がしたい』

そんなこと言われたら、断れない。

『うん、わかった』

そう言うと、ほっくんは安心したように微笑んで、そっと部屋番号を耳打ちした。

『覚えた？』

『うん』

そして彼は、颯爽とパーティー会場へと姿を消した。