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それぞれの道7 ページ20

北斗side



あの日、お互いに消した連絡先。



だから、Aが今どこで何をしているのか、知る術もない。



いや、探そうと思えば出来たのかも知れないけれど、とにかく仕事に集中することで、気持ちを隠してきた。



この一年、共演した女優さんやアイドルの人など、告白されることは何度もあった。



好きでもないのに、付き合ってみようかと考えた事もある。



でもやっぱり、忘れられなくて。



あの笑顔も、優しい声も、仕事の時の真剣な顔も、全部全部覚えてる。



そんな俺を、京本はもちろん、みんな心配してくれていたんだろう。



だから、京本からずばり言われたことで、ようやく止まったままの時間が、ほんの少し動いた気がする。




世界デビューが現実となった今、とにかくガムシャラに進むだけ。



Aがもしこの曲を手にしてくれたら、それだけでもう十分じゃないか。




そうして、俺達はジェシーを中心に毎日英語で会話して、わざわざ来日してくれた振付師の先生のダンスに必死でくらいついて、無事にレコーディングを済ませた。






『これが、、世界に出るんだよな』



ひと足先に渡された、世界デビューのCDを手にして、小さく呟いた。



成功するだろうか?



今はまだ、不安だらけだ。



今回発売されるのは、日本、アメリカ、中国をはじめとするアジア圏に決まった。

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作者名:恋柱 | 作成日時:2021年6月17日 18時

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