それぞれの道 ページ14
『good morning!』
あれから1年。
あの日、きちんと別れた私達。
席を外してくれていたメンバーのみんなにも、『元気で頑張れよ!』って背中を押してもらって、私はアメリカでどうにか頑張っている。
日本企業とはいえ、ここはアメリカ。
働く人達は、日本人よりも外国人のほうが多い。
その環境に最初は慣れなくて、ホームシックになったりもしたけど、そのたびに、あの日の皆んなの笑顔を思い出して頑張ってこれた。
私がマネージャーとして最後にチェックした、あの時の新曲は、予想通り大ヒットして本当にミリオンを達成したと、SNSで知った。
それからは、SixTONESに関する事は見ないようにしてる。
インターネットが世界中で繋がる今、SixTONESと検索したら、きっと余計な情報まで探してしまう。
ほっくんから、みんなから逃げた私には、それを知る資格なんてないんだ。
未だに脳裏に焼き付いている、あの頃の記憶を振り払うように、ぶんぶんと頭を振って仕事に集中する。
そんな私の様子が面白かったのか、隣のデスクに座るジェシカが肩をすくめる。
アメリカ人だけど日本が大好きで、日本語も堪能なジェシカは、私にとって大切な同僚であり、こっちで初めて出来た友達だ。
『A、またそれやってるわね(笑)日本人は良くやるの?』
『違うのよ。う〜ん、集中?したい時にでちゃうの』
『へぇ。あ、そうそう!聞いて?!』
ジェシカが得意げな顔で近づいた。
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作者名:恋柱 | 作成日時:2021年6月17日 18時