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A side
数時間経って、にぃにの作業がひと段落ついたようで、目の前に座るよう促される。
別にまだ何も言われてないのに思わず正座する。
こ「まず、なんで働いてんの?」
「…私だって働きたい。」
こ「Aさ、わかってる?自分の身体。ただでさえ病弱なのにオメガ性。しかもAってヒート不順だよね?」
何も言い返せない。
にぃにの言わんとしていることはわかる。
差別云々じゃない。
オメガ性が使えないとかそういう話じゃ無く、オメガ性の就職率が低いのはヒートになった時、会社そのものの業務が滞る。
ヒートが定期的にくるオメガはそれをわかって事前に薬を飲んだりできるのだが、私は2ヶ月に1回ピッタリくるわけではない。
ひどい時には1ヶ月できた時もある。
さらに、私はあまり身体が強くない。
未熟児で生まれ、両親をただでさえ心配させたのに、幼い頃は喘息もあったし、しょっちゅう風邪もひく。
不登校でもないのに高校のとき出席日数ギリギリになったりもした。
にぃににも両親にも、働かなくていいからいい番を見つけろと散々言われてきた。
でも、甘やかされてるばかりは嫌だ。
私だって…。
「にぃにたちの邪魔になりたくない。重荷になりたくない。」
こ「重荷になったなんて思ったことない!邪魔だなんて思ったことない!」
「嘘だ!私がいたせいで、お母さんは大変だった!!お父さんも大変だった!!にぃにだって寂しかったでしょ!?私がいなかったらって思ったことくらい…」
こ「ないよ。Aがいて嫌だったことなんて一度もない。だからお願いだから…無理しないでっ…。」
久々に会ったにぃにを泣かせてしまった。
「にぃに…。」
こ「たった数ヶ月でも、僕はAのお兄ちゃんだよ?」
頷くしかなかった。
それでも、それだけで安心したのか、にぃには優しく私の頭を撫でてくれた。
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夢花(プロフ) - フェロモン怖ぁ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル (2021年4月11日 23時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - りんさん» 確認ありがとうございます。私のわがままを押し付けるような形で申し訳ありません。ぜひ、ログインされました際にはご期待に添えていればなと願います。いただいたお時間無駄にしないよう少しでも楽しんでいただけたら幸いです。ありがとうございます。 (2021年4月11日 9時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 読ませて、いただきました。ご丁寧に有難うございます!ログインしてみようかなと考えています。他の作品も楽しみにしています!これからも、頑張ってください。m(_ _)m (2021年4月9日 1時) (レス) id: 8208016f57 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - まっちゃさん» お手数をおかけしてしまいまして申し訳ありません。私自身がまだあまりうらツクのシステムを理解しきれておりません故…。ページに入れた際には楽しんでいただけたら幸いです! (2021年4月8日 22時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!他作品まで読んでいただけて、とても嬉しいです。 続きページの件につきましては、コメントに収まり切らず、本ページ内でお話しさせていただいております。ご一読いただけますと幸いです。 (2021年4月8日 22時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年3月14日 22時