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Satomi side

思わず指先にキスをした。
ふわっと香る甘ったるい匂い。
こんなことで欲 情しちゃうのか。


「な、な、な、何してるんですか!!」

さ「あっ…ごめん。」


咄嗟に謝るけど、照れたその顔が可愛くて、思わずキスしたくなる。
少し潤んだ瞳でこちらを見る。
怯えと熱のこもったその瞳。
吸い寄せられるように顔を近づけた。


り「…なにやってんの!」


唇が重なる寸でのところ。
突然やってきた莉犬がAちゃんを守るように腕を引く。
俺がアルファと分かってから…いや、やけにAちゃんに近付くからか、Aちゃんがいる前だと莉犬の俺への態度が明らかに変わっているのは気付いていた。
睨みつけるように俺を見る。


り「同意はなしはダメだよ。」


襲おうとしてたと思われたのか。
あながち間違いでは無いのだが。


さ「…邪魔すんな。」


口に出てくるのは圧倒的な独占欲。
怒られているのに、俺が今1番気に入らないのはAちゃんに回されているその莉犬の腕だ。
莉犬のその腕に安心したような顔、すんじゃねぇよ。
欲しくて、奪いたくて、犯したくなる。


り「ころちゃんのとこ行きな。」


俺から隠すようにAちゃんをリビングに戻す。
怖かったのか、こちらも見ずにパタパタと台所を後にしてしまった。
ヒートは過ぎているから、さほど強くはない匂い。
Aちゃんが離れればその香りは幻想だったように消えていく。


さ「あー…ヤバい。」


段々と冷静になる頭で、自分のしようとしたことを思い出して思わず座り込む。


り「さとちゃん、」


何かを言おうとした莉犬の口から、今は何も聞きたくなかった。
Aちゃんより少し高いその頭にポンっと手を置いて、ぐりぐりと撫でる。


り「うわぁ!」

さ「莉犬、ありがと。」

り「さとちゃん…。」

さ「俺帰るわ。みんなに言っておいて。」


莉犬の話も聞かず、その場を後にした。
失っていく理性が怖かった。
指先にキスをしたのは、熱に浮かされたわけじゃなかった。
したくなったからだった。

あぁ、これが恋なのか。

それは運命なのか、自然に落ちていったのか、そんなこともうどうでもよかった。

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作品ジャンル:恋愛
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夢花(プロフ) - フェロモン怖ぁ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル (2021年4月11日 23時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - りんさん» 確認ありがとうございます。私のわがままを押し付けるような形で申し訳ありません。ぜひ、ログインされました際にはご期待に添えていればなと願います。いただいたお時間無駄にしないよう少しでも楽しんでいただけたら幸いです。ありがとうございます。 (2021年4月11日 9時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 読ませて、いただきました。ご丁寧に有難うございます!ログインしてみようかなと考えています。他の作品も楽しみにしています!これからも、頑張ってください。m(_ _)m (2021年4月9日 1時) (レス) id: 8208016f57 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - まっちゃさん» お手数をおかけしてしまいまして申し訳ありません。私自身がまだあまりうらツクのシステムを理解しきれておりません故…。ページに入れた際には楽しんでいただけたら幸いです! (2021年4月8日 22時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!他作品まで読んでいただけて、とても嬉しいです。 続きページの件につきましては、コメントに収まり切らず、本ページ内でお話しさせていただいております。ご一読いただけますと幸いです。 (2021年4月8日 22時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年3月14日 22時

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