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A side

こ「あっ!ばか!」


にぃにの言葉が聞こえた時には遅くて、持ち上げていた釜を反射的に離した。
馬鹿やった。
割とよくやってしまう。
忘れちゃうんだよね、熱いこと。

割と慣れているせいで、私自身そんなに焦らなかったけど、パタパタと離れた場所にいたはずのさとみさんが、焦ったように私の腕を引いて水道水で洗い流す。


さ「大丈夫?」


その声は、今までたくさんいじわるしてきたくせに、優しい声だった。
心配そうに見つめてくる視線も優しい。
調子狂うから本当やめてほしい。
ドキドキなんてしない。
意識なんかしないもん。


「だ、大丈夫です!」


慣れない優しい声色と、マジマジと指先を見つめられてる恥ずかしさで思わず手を引こうとしたが、強く阻まれて叶わなかった。
もうやだ。
恥ずかしい…。
行き場のなく、指先を無意識に動かしていると、そっとその指先にさとみさんが触れてきた。


さ「冷やしてないと。跡になるよ?」

「ちょっとだったから!大丈夫です!」


にぃにに助けを求めようとしたが、さっきまで近くにいたのにいなくなってた。
もう!なんでどっかいっちゃうの!?


さ「痛くない?大丈夫?」

「大丈夫ですって!割とよくやらかすんで…。」

さ「気をつけてよ。自分のこと、大事にして?」


蛇口をとめて、ぽたぽたと2人の指先から雫が落ちている。
その手を拭きもせず、顔に近づけてジッと見てるさとみさん。

恥ずかしいからやめてよ。


さ「跡にならなさそうでよかった。」


少し赤くなっているだけの指先に、チュッと軽いリップ音がした。


「な、な、な、何してるんですか!!」


ぶわっと身体の温度が上がる。
思わず振り解くように手を寄せる。
幸い誰にも見られていなかった。


さ「あっ…ごめん。」


素直に謝ってくるもんだから、私もどうしていいかわからなくなる。
火傷だけのせいじゃない。
触れられた指先がやけに熱く感じた。

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作品ジャンル:恋愛
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夢花(プロフ) - フェロモン怖ぁ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル (2021年4月11日 23時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - りんさん» 確認ありがとうございます。私のわがままを押し付けるような形で申し訳ありません。ぜひ、ログインされました際にはご期待に添えていればなと願います。いただいたお時間無駄にしないよう少しでも楽しんでいただけたら幸いです。ありがとうございます。 (2021年4月11日 9時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 読ませて、いただきました。ご丁寧に有難うございます!ログインしてみようかなと考えています。他の作品も楽しみにしています!これからも、頑張ってください。m(_ _)m (2021年4月9日 1時) (レス) id: 8208016f57 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - まっちゃさん» お手数をおかけしてしまいまして申し訳ありません。私自身がまだあまりうらツクのシステムを理解しきれておりません故…。ページに入れた際には楽しんでいただけたら幸いです! (2021年4月8日 22時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!他作品まで読んでいただけて、とても嬉しいです。 続きページの件につきましては、コメントに収まり切らず、本ページ内でお話しさせていただいております。ご一読いただけますと幸いです。 (2021年4月8日 22時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年3月14日 22時

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