この運命は恋ですか？【桃】

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世の中成功して当たり前、幸せになって当たり前、失敗すらも成功への道筋だと思っているー圧倒的アルファ脳。
羨ましいと思ってしまう。
ころんの考え方なら、これを恋だと断言して、Aちゃんが俺に堕ちるまでアピールする。
でも、俺はそうは思えないんだ。
独占欲、支配欲ーそれらはあっても、愛情がある自信なんてない。
首輪をつけて怯えた目をしたAちゃんを、そんな幼稚気持ちで自分のものにしたって、意味がない。
彼女が求めているのは、自分を、自分としてみてくれる相手。
運命の番なんて憧れているようにいうけど、彼女の求めているものからは一番遠いものなのではないか。
だからこその拒絶。

可愛いと思う。
守りたいと思う。
欲しいと思う。
俺のもの。
でも、俺は、Aちゃんのことを好きだと言える自信はない。


さ「でも泣かせたくはねぇんだよなぁ…。」

こ「何が？」

さ「ころんはさ、運命の番って信じる？」

こ「質問に何一つ答えてくれないじゃん。でも、僕は信じてないよ。」


はっきり、きっぱりと言った。


さ「じゃあ知らね。」


そろそろ気持ち的にも治ってきたし、戻ろうと思って扉に手をかける。
しかし、ころんにそれを阻まれる。
思いっきり肩を引かれた。


こ「ねぇ…Aが運命の番とか言わないよね？」

さ「…だったらどうする？」


やめてくれ。
期待するような目で見ないでくれ。
その隠しきれてない嬉しそうな顔、やめてくれ。
俺じゃきっとAちゃんを幸せにはしてあげられない。


さ「んなわけないじゃん。」


ころんの手を振り払うように部屋に戻った。


ー・ー・ー・ー・ー・ー
作品内でのさとみくんのキャラがブレてるので一応解説(?)
Aちゃん目の前にして意地悪するように近づいたり、ちょっと攻めすぎな感じは、Aちゃんのフェロモンに浮かされてます。
離れて冷静になると、今回のシーンのようなさとみくん。
そんなふうなのをイメージしながら書いてます。

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