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り「それを引け目に感じてた?自分が劣等者なのが悔しかった?それとも…両方?」
堪えていたけど、目には涙が浮かんでいた。
ギリギリ溢れない涙。
これが誰だったら君を泣かしてあげれたのかな。
「私は…誰かに守られて生きるのはもう嫌です。」
どうしても、アルファの保護下として置かれがちなオメガ。
オメガにとって、素敵なアルファと番うことが幸せと言われてしまう。
り「だったらころちゃんに頼ってばっかじゃなくて、自分の身は自分で守らなきゃ。」
「…結局何が言いたいんですか?」
これ以上誤魔化しながら話すのは無理か、と思った。
り「ごめん。遠回しすぎたね。これ、何かわかる?」
自分の首元にそっと手を置く。
Aちゃんは目を逸らした。
やっぱり。
俺がオメガとわかってから、この首輪が何を意味しているのかわかっていたのだろう。
「自分はオメガですって言ってるようなものじゃないですか。にぃにに頼まれたならそんなことで…。」
り「違うよ。俺は、Aちゃんが自分身を守るためにつけるべきだと思ってる。」
「嫌です。私は普通に生きたいだけなの!」
り「普通って何?…オメガは普通じゃないの?」
「…っ!」
り「これね、メンバーにさっき首輪なんだ、って話しててびっくりしてた。首輪をつけてるのが"普通"の俺なんだよ、みんなにとって。」
普通なんて、作るものだよ。
そもそも普通な人なんて居ない。
どこかで必ずマイノリティになる瞬間がある。
そこでの多数派は、外では少数派にだってなりうる。
り「Aちゃんって普段どんな服着るの?友達と撮った写真とかないの?」
躊躇しながらも、写真を見せてくれるAちゃん。
り「んー、じゃあこんなの?」
「あっ、可愛い!」
り「でしょ?割と可愛いの多いんだよ。ベータの人がオシャレでつけたりしてる人も居るんだって。」
オシャレは好きなのか、さっきとは打って変わっていろんな首輪を見ているAちゃん。
結ばれた髪の毛からみえる項にそっと触れる。
り「俺たちでもさ、自分の身は自分で守らなきゃいけないんだよ。それがきっと、大切な人を守ることにも繋がるから。」
俺の急な行動にぴくりと反応してこちらをじっと見つめる。
もう涙の膜は乾いて無くなっていた。
り「大切な人のためにここ、きちんと守っておきな。」
Aちゃんは小さく頷いた。
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夢花(プロフ) - フェロモン怖ぁ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル (2021年4月11日 23時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - りんさん» 確認ありがとうございます。私のわがままを押し付けるような形で申し訳ありません。ぜひ、ログインされました際にはご期待に添えていればなと願います。いただいたお時間無駄にしないよう少しでも楽しんでいただけたら幸いです。ありがとうございます。 (2021年4月11日 9時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 読ませて、いただきました。ご丁寧に有難うございます!ログインしてみようかなと考えています。他の作品も楽しみにしています!これからも、頑張ってください。m(_ _)m (2021年4月9日 1時) (レス) id: 8208016f57 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - まっちゃさん» お手数をおかけしてしまいまして申し訳ありません。私自身がまだあまりうらツクのシステムを理解しきれておりません故…。ページに入れた際には楽しんでいただけたら幸いです! (2021年4月8日 22時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!他作品まで読んでいただけて、とても嬉しいです。 続きページの件につきましては、コメントに収まり切らず、本ページ内でお話しさせていただいております。ご一読いただけますと幸いです。 (2021年4月8日 22時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年3月14日 22時