検索窓
今日:2 hit、昨日:19 hit、合計:71,633 hit

12話 ページ13

考え込むように黙るAに絵心は不思議そうに目を細めたが、Aが持つお盆を見ると納得したように頷いた。

「置いておきなよ」

『え?』

「お茶が冷める前には戻ってくるさ」


帝襟さん(推し)(別名:癒し)のことだった。

私は少し似通ったもの(ブラック)を感じた_(このままだと帝襟さん(推し)(別名:癒し)の健康に支障が!?と鬼気迫っていただけ)_からなのだが、視線の先がお盆の上だったので、お茶をどうしようか困ったふうに見えたらしい。

実際、お茶の行方をどうしようかとも思っていたので有り難くお言葉に甘えさせてもらう。
一口お茶を口に含んだ絵心に素直に礼を言ってお茶を並べる。

『ところで絵心さん、これ視えてますよね?』

「…………あ"?っ」

湯呑みに口をつけた絵心にずっと気になっていたことを問いかける。動揺と噎せるのを我慢している様子を見て、口を緩めた。そして、表に出すまいと気を付けていたアゲアゲテンションが解禁された。


『やっぱり視えてたんですね!いやぁ、実は昨日から私の制服とか動向を観察したり、呪霊に反応してる節があったのでもしかしたらって思ってて…』

「ちょ、ゴホッ…ちょっと…」

『本当は説明するのやめよっかなって思ってたんですけど視えてんなら話はぁ早い!説明が楽で助かります、ン"っヴン』

「酔っ払いか??」


咳き込んで尚話を続けようとするAに待て待て、と手を挙げてストップを主張する絵心。

それを見てようやくAは口を閉じる。若干楽しそうにしていたのは気のせいだと思いたい。

絵心は息を整えると、恨みがましい目でAを見た。


「ハァ…ったく、説明はしなくていい。基礎的なことなら教えてもらったことがある。10年前、Aちゃんの制服と同じボタン付けてたからね。さすがにわかったよ」

『ホー…ぐるぐるですか?』

「そうだな」

13話→←11話



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (194 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
548人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雨が好きな人 | 作成日時:2023年1月11日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。