11. カナリヤ ページ14
読書で終わってしまった昼休み｡
レイはあれから戻らなかった。
だけど置いてけぼりはズルい。
「ちょっと良い？A。」
『なぁに？ママ。』
「あなたの髪、梳かしても良いかしら?」
ニコッと笑う先にはクシを持って
両手を広げるママの姿が。
私の髪はアンナと同じくらいの長さがある。
ママの手付きはすごく優しくて､
時にうたた寝する事もあった。
「また伸びたわね…そろそろ髪を揃え…」
『ママ！まだ髪は切らないで！！お願い！』
「ウフフ…揃えるだけなのに､
切りたくない理由があるのね…
例えば…好きな人とか？」
『…っ！！』
レイとママは私に関して凄く鋭い…
いや、エマもそうだった。
「じゃあ、相手はノーマンかしら？
それともレイ？」
『どうしてその二人？！』
クスッっていう笑うママ。
絶対に私をからかっている。
確かに私が髪を切らない理由は
幼い頃4人で読んでいた童話、ラプンツェルで
「泣き虫なAの綺麗な髪があれば、僕がいつでも助けに行けるね」
と言われたからだった。
髪を切ってしまえばエマと瓜二つになるから 区別が付かなくなるからだろう
だけど…ノーマンが言ってくれた言葉だったから､嬉しかったんだ｡
『………ママは好きな人とかいたの？』
するとママは少し目を大きく見開いた。
「…えぇ。居たわ。でも今は何処か旅をしているのかしらね。」
にっこり笑うママは何処か切なそうだった。
聞かなきゃ良かったのかな…
『ゴメン……
変わりに私、ママの好きな唄、歌うから。』
「そう、じゃあお願いしようかしら」
ママが笑ってくれた。
ママが愛した歌。それを口ずさむと、
知らないのに何故か懐かしくなる。
「Aが歌ってる！」
「本当だ！」
「ドン！しっー！Aの歌声は何度聞いてもキレイよね…」
ギルダたちの声で兄弟達全員が集まってくる。
久しぶりに歌ったかな。
この空間は何かと穏やかになる。
歌が終わると
一斉に聞こえる拍手。
「ありがとう…私の小さなカナリヤさん」
私の頬を撫でるママ。
元気になったみたい。
「皆、夜も近いから、
そろそろ夕飯の支度をしましょう。」
ご飯の支度に取り掛かる兄弟たち｡
この毎日を過ごす時間は僅か。
私達年長はもうすぐ…
「あとA。さっきの件
考えて置いてね。」
『分かったよ…ママ』
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ありす - 続きが気になりますー！最年長全員が片思いしていてとてもキュンキュンしました！これからも頑張ってください！ (2019年6月2日 15時) (
レス) id: f32f67d3c0 (このIDを非表示/違反報告)
まろまろ - 頑張ってくーだーさい！！ (2019年4月6日 13時) (レス) id: b9e42e7531 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅう - 凄く面白いです！最後に誰が誰と結ばれるのか気になります！これからも頑張ってください！ (2019年3月21日 23時) (レス) id: 74012f0d95 (このIDを非表示/違反報告)
minori0405(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ちきれないです！頑張ってください (2019年3月19日 2時) (レス) id: 9169d3c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
音海 永愛(プロフ) - 面白いです！でも所々に誤字脱字が……。ゆういつ、優位→唯一。助詞がないのが気になります。上からですみません。 (2019年3月2日 8時) (レス) id: a04e929a54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年1月29日 0時
