8. 嘘と真 ページ11
『…ねぇ、どうしてレイはエマたちと一緒に行かなかったの？』
あんな眼を向けられても、
レイに問いかけてみた。
「別に。二人もいれば､わざわざ俺まで
いかなくてもいいって思って。」
確かにリトルバニーを届けるのに､
そんな大人数じゃなくても良い。
「エマたちを待つのはお前の勝手だけど、
これ羽織ってろ。」
私がエマたちを待つと承知だったレイ。
彼が羽織っていたカーティガンを渡された。
数分の沈黙が続き、
先に破る様にレイが声をかけてきた。
「もしもの話。
知らなければ良かったと思うような
話を聞いたとして、
お前は本当に知らなきゃ良かったって思うか？」
『結構シリアスな話題だね。
私だったら…、
むしろ知って良かったって思うよ？』
「へぇ…何で？」
私の意見に興味を示したレイ。
彼の瞳は真っ直ぐに私の方へ向けられていた。
『だって仮に知らなかったら、
私は本当の事を知らずにいて、
偽りのまま過ごしていた事になる。
本当は知っていた方が良かったって事､
見落として生きていたんだって思うじゃない。』
「仮にそれは、その人の幸せの為に欺いていた事でも？」
『…それは…』
レイの瞳に映る私は彼の次の質問に
答えられなかった。その人の為にだったら、何が一番幸せにいられただろう…
「ま、深く考えるな。さっき読んで小説の話だ。エミリーならこんなシナリオならどう思うか試しただけ。」
「じゃあ､逆にレイに返すけど、
レイならどう思うの？……」
「…俺だったら…」
ガチャっ…
すると扉からエマたちの姿が見えた。
だけど二人して暗そうな顔をしている。
『…お帰り二人共。どうだったの？』
「……っ、それは…」
「……間に合わなかったよ…
エマも僕も疲れてるから先に戻るね。」
と一言残し､部屋へと戻っていった。
「なんかあるな、あれは。」
『………』
「俺達も戻るぞ、消灯の時間だ。」
『うん…』
私とエマは別々の部屋で､様子を見るも
今の二人にとっては気まずくなるだろう。
ベッドに入り込んでも尚、
あの二人の事が心配で仕方ない。
間に合わなかった…って言ってるけど、
リトルバーニーがエマの手元に無かった。
それに、どうしてエマは
震えてるような眼をしていたの？
「…何があったの…？」
明日の朝､聞いてみよう…
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ありす - 続きが気になりますー！最年長全員が片思いしていてとてもキュンキュンしました！これからも頑張ってください！ (2019年6月2日 15時) (
レス) id: f32f67d3c0 (このIDを非表示/違反報告)
まろまろ - 頑張ってくーだーさい！！ (2019年4月6日 13時) (レス) id: b9e42e7531 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅう - 凄く面白いです！最後に誰が誰と結ばれるのか気になります！これからも頑張ってください！ (2019年3月21日 23時) (レス) id: 74012f0d95 (このIDを非表示/違反報告)
minori0405(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ちきれないです！頑張ってください (2019年3月19日 2時) (レス) id: 9169d3c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
音海 永愛(プロフ) - 面白いです！でも所々に誤字脱字が……。ゆういつ、優位→唯一。助詞がないのが気になります。上からですみません。 (2019年3月2日 8時) (レス) id: a04e929a54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年1月29日 0時
