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「ははっヤソップ。おまぇら親子もなんだかんだ息が合ってるじゃねーか。仲良しだな!」
「お頭達親子に言われたくねぇよ...!とっととこの親子喧嘩終わらせろよ!」
「だとよA!...あっちにはルフィか...なんだか懐かしいな」
『勝手に親子にすんなボケ!!懐かしんでる暇はねぇんだとっととケリつけるぞ!』
無敵だと思われたトットムジカにも唯一の弱点があった。それは、夢想の世界と現実の世界の同タイミングでの攻撃。意志の共有など常人にはできないが、それを可能にしているのがヤソップ、ウソップ親子の見聞色の覇気による視界共有。的確な指示のもとに、同タイミングで重い攻撃を与え続ける。
ウタの助けてという言葉をみんなはしっかりと聞き取っていた。
大好きな彼女の歌が声が聞こえないはずがなかった。
「「最後は頭だ!!!」」
トットムジカの腕、脚...
そして頭に強い一撃が落とされる。
仲間を友人を家族を守るために込められた重い重い攻撃はトットムジカにとどめを刺した。
呻き声をあげながら、おぞましかったあの姿が消えていく。それは、無敵だと思われていた魔王に勝利したことを表す。
だれもが逃げることしかできなかった破滅の魔王を倒した。これでみんな救われた...。そう思っていた。
「おい、寝てるやつらが目を覚まさねぇぞ!」
「こっちのやつらもだ。遅かったのか...」
『...ウ、ウタは?』
解除されるはずのウタワールドはトットムジカに侵食され過ぎており解除されず、ルフィ達は今だ眠り続けている。まだ脱出できていない。
トットムジカから解放されたウタは、辛うじて意識を保っており、シャンクスの腕の中で、浅く息をしていた。Aは、ウタを見つけると自身の怪我など気にせずに傍まで走った。
「...シャンクス、A...」
『ウ、ウタ!よかった生きててっ...』
「ウタ。早くこの薬を飲め」
シャンクスがホンゴウが調薬した寝ることで体力を回復する薬をウタへ手渡す。
ウタが限界をとっくに超えていることは聞かなくても分かった。意識があるのも奇跡に近い。
一刻も早く、処置をしなけければならなかった。
だが、ウタはその薬を受け取らず、自ら投げ捨てた。
泣きそうな困った顔をする2人に、笑顔を向けてなんでと言おうとした口を制する。
「...まだルフィ達が...みんなが呼んでる。私しか救えない」
ウタは歌った。今度こそ皆に届くように。
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アップルパイ(プロフ) - めちゃくちゃ良い作品だった…(泣)神作品すぎるしゆりあさん天才すぎる…この作品に出会えてよかった…夢主も自分好みすぎて…最高の作品をありがとうございます…!! (2月29日 13時) (レス) @page43 id: c2bcbcc7a7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - ななせさん» コメントありがとうございます!神作だなんて...!めちゃくちゃ嬉しいです!私もななせ様に出会えてうれしいです! (2023年1月14日 19時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - なんで今までこんな神作に出会えなかったんだろう (2023年1月13日 22時) (レス) id: fd9fde8179 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - crazyさん» コメントありがとうございます!何度も私のやる気を上げてくださって、最後の最後まで褒めちぎっていただいて...crazy様のことを女神というんです。崇めてます。番外編も作る予定ですので、よろしくお願いします! (2022年10月9日 10時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 美兎さん» コメントありがとうございます!美兎様、かつらが追い付かないほどの愛のコメントを頂き感謝でいっぱいです!もうきっと出家されてるんですよね。仏のようにこの作品を見守っていただきありがとうございました! (2022年10月9日 9時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりあ | 作成日時:2022年9月4日 19時