『スイカ割り2』 ページ4
――――…
「………あっつい…」
「一松さん溶けちゃいそうですね」
「……夏なんて滅びてしまえ」
「そう言う人って冬になったら大抵逆のこと言いますよね」
「日本人の約九割は同じこと言ってるでしょ」
稲が青々と茂る中、焼けるようなコンクリートの道を二人で歩くこと数分、もうすでに心が折れそう。
余裕そうに隣を歩くAが羨ましいというか憎らしいというか…。まぁAは出かける前に日焼け止めとか色々付けてたし、麦わら帽子も俺の分も含めて準備してくれてたから対策はバッチリだ。流石女子、夏でも肌が白い訳だ。その辺はやっぱり気にしているらしい。
山中さん家はAの家からそんなに離れてないって聞いてたからすぐ涼めると思って俺は完全に油断してた。
「今からでも冷却スプレー付けますか?汗すごいですし」
「………付ける…」
「はい、じゃあ背中向いて下さい」
「……えAが付けるの?」
「だって背中だと自分でやりにくいじゃないですか」
「いやそんくらい自分で出来るから。脇でも大丈夫だと思うし」
「遠慮しないで下さいよ、さぁさぁ背中向けて」
「……、お前さ、絶対俺の反応見て楽しむ気だろ。ビクッてさせようと思ってんだろ」
「あ、バレました?なら強行です!」
「あ!?コラ襟首掴むな締ま、グエ、ちょほんとに締まってるから止め…!」
―シューー!
「ニ"ャァァァァァァ!!?」
――――…
「ごめん下さーい」
「おーAちゃん来たかー。ホレもう準備出来てっからこのまま庭さ回ってこぉ」
「はい、お邪魔します」
「……ん?兄ちゃんなんかげっそりしてねが?」
「………いえ、何でもないっす。お気になさらず…」
あの流れのまま調子に乗ったAに体全体キンキンに冷やされたから疲れただけです。行きだけでこんなに体力消耗しててすんません、スイカ割りは観戦に回らせていただきます。
山中さんとAの後に続いて庭に行くと、もうすでにブルーシートの上にスイカがスタンバイされていた。
そしてそのすぐ傍に山中さんの孫と見られる人物が二人立っていた。
小学校高学年ぐらいのツンツン毬栗男子と低学年ぐらいのツインテールの女の子。
その内の女の子の方はAを一目見た瞬間、その大きな瞳を輝かせてこちらに駆け寄ってきた。
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渚(プロフ) - 月花さん» 返信が遅れてしまいすみません。1でもコメントしたのですが、Azpainter2というPCソフトを使っています (2020年2月3日 20時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 絵上手いですね。どうやってらんですか? (2020年2月3日 19時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» ご要望にお応え出来ず申し訳ございません…。今後ともよろしくお願いいたします。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: d823623ddd (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - すいません;最新頑張って下さいね。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: e772f145ae (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» えっと、それは短編小説のリクエストでしょうか?それですと申し訳ないのですが、小説のリクエストは受け付けておりませんので…。 (2018年9月4日 18時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2018年1月14日 17時