73松 ページ22
反省して下さいね。とでも言うようにAはニコリと笑って家に上がっていった。…あれ、軽く怒ってるな。天気予報では暫く雨が続くから部屋干しだよな…、除湿器と扇風機を用意しないと。
明日の事を考えながら遅れて俺も家に上がって居間に戻ると、床に広げっぱなしのアルバムが目に止まった。
さっきは子ども達が優先で俺はじっくり見る事が出来なかったから、もう一度よく見ようとアルバムを手に取った。
そして、一番最初のページを確認する。
そのページには一枚だけ、Aの生後間もない写真が貼ってあった。
写真の下に生年月日や身長体重、そしてAの幸せを願うメッセージが一文書かれている。
“これからきっと大変な事が多いと思うけど、笑顔で乗り越えられる強い子に育ちますように 母より”と…。
父親からのメッセージは無い。
「……」
「あれ、まだ見てたんですか?」
「あ…、うん…」
いつの間にかAが俺のそばに来てて、上から俺と同じように写真を覗き込んでいた。
「それ、母のメモですね。懐かしい」
「…凄くいい人だったんだね」
「はい、自慢の母です」
「……」
「………一松さん、もしかして仏壇見ましたか?」
不意を突かれ戸惑いを隠しきれなかった。
Aを見ると、もう既に確信を得ているとでもいうように微笑む顔がそこにあり、思わず理由を尋ねると、だって今、凄くいい人
なんで彼女はこうも俺を驚かせるのが得意なんだ。
「まぁ、部屋に入ったって聞いた時点で目に入っただろうなとは思ってましたよ」
「………聞いてもいいの?」
「多分変な空気になると思いますけど、それでもいいなら全然」
さてどう話したらいいか、と腕を組んで頭を捻るA。
なんだかその仕草がわざとらしくやっているように見えて、空気を重くしないように振る舞っているように感じた。
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渚(プロフ) - 月花さん» 返信が遅れてしまいすみません。1でもコメントしたのですが、Azpainter2というPCソフトを使っています (2020年2月3日 20時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 絵上手いですね。どうやってらんですか? (2020年2月3日 19時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» ご要望にお応え出来ず申し訳ございません…。今後ともよろしくお願いいたします。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: d823623ddd (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - すいません;最新頑張って下さいね。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: e772f145ae (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» えっと、それは短編小説のリクエストでしょうか?それですと申し訳ないのですが、小説のリクエストは受け付けておりませんので…。 (2018年9月4日 18時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2018年1月14日 17時