揺らぎ【赤】

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翌日の昼、サヤカちゃんから連絡が来て、近いうちにカフェで集合することになった。





先に来ていた彼女が、私の姿を見てパッと笑顔になる。

紅茶を頼んだけれど、熱いままでは飲む気になれなくて、カップをソーサーに戻した。


…何を話せばいいのだろう。

そう思っていたけれど、サヤカちゃんは「この前ぜんぜん話せなかったから〜」と軽い調子で笑った。


幼馴染である宮近くんには、何度もあのような場をセッティングしてもらっているらしい。
ミツキくんに絶賛アタック中なのだ。

この前は緊張していて曖昧だったけれど、やっぱり話しやすくて可愛い子だと思った。
何より元気がよくて、真っすぐで、嫌みがない。

「もうミツキの気持ちは周りの友達から聞いてるの！でも告白してこない、あーのチキンが！」
「ふふ、いい感じに見えたけど」
「そうなんだけど、何がいけないんだろう…」

ぐいぐい行くしか分からないんだもん…。
口を尖らした彼女は、純粋に恋愛を楽しむ女の子で、とてもキラキラして見えた。

応援してあげたいな。

そう思いながら再びカップを口に運んだ瞬間、
サヤカちゃんは何か思いついたような笑顔になった。


「そういえばね今度、ミツキとお買い物行くんだけど良かったら一緒に行かない？」
「え、私が居ていいの？それって」
「Aちゃんに色々と協力してもらいたいの、お願い！ちゃかも呼ぶからさ…」


思わず固まる私を見て、彼女はいたずらっ子のような表情に変わった。

もしかして、

「大人っぽいと思ってたけど、Aちゃんって、案外分かりやすい！」


そう言って優しく笑われた。
カマをかけられて、呆気なくバレてしまった。思わず脱力する。

でも、満足げに微笑む姿を見て、何故だかもっと仲良くなれる予感がした。

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