初恋の音 (ページ19)

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音。18 【過去編】ページ19

この頃盗みが盛んだった

ある家からは食料が

ある家からは金が

ある家からは宝石が

みんな怯えて戸締りが厳重になった

ユナムが死んで何ヶ月がたった

今でもユナムが心に残っている

でもリルムを見るとユナムは消え、一瞬でリルム依存に

まだ想いを伝えてない私だった

『リルム。盗みが盛んなんだって』

リルム「知ってる。Aも気を付けて」

そう言い私の頭を撫でた

キュンっとなって顔を下に向ける

リルムは立ち上がり用事に向かった

盗みが盛んになったと同時にリルムも忙しくなった

多分、家の物が盗まれて大変なんだろう

私はリルムの後ろ姿を見送り家へ帰った

いや、帰ろうとした

その時知らない者達が周りに集まった

そして取り押さえられた

「お前、近頃盗みをしてる奴だろ」

「俺の食料返せっ！」

「私の宝物を奪うなっ！」

何のことか分からず黙る

すると私の顔面を殴った

何を根拠に私が疑われているんだろう

「リルムが言ってたんだ！」

「リルムが犯人お前って言ってるんだ！」

リルムが？

あり得ない、リルムがなんて

私は耳を塞ぎ殴られた

耳を塞いでもこの耳だから聞こえてしまう

「リルム、リルム」という声が

聞き間違えと自分に言い聞かせて

「全部、なにもかもお前の所為だ！」

何か悪いことしたかな？