【名探偵コナン】続・降谷さん！いい加減にしてください！！【警察学校組】

番外：年甲斐もなく大喧嘩１２ ページ5

「よ、よろしいんですか、その...」
『はい、お待たせしてしまってすいません』


念の為の検査、で自身の事を病院へと搬送すべく待ちぼうけをくらっていた隊員へと謝罪したかと思えば、彼女はふ、と声を潜める。


『...ついでに手錠、外して貰えます？キッド』
「(げっ、バレてる...)よくお分かりになりましたね」
『声。それ地声でしょう？』


カチャリと何処からか取り出した針金で器用に解錠した彼は、やっぱりこの人とは最低限の関わりにしようと心の中で呟く。


「名探偵に頼まれたんでね...この事件に関われないからちょっと様子見てきてくれって」
『...ありがとうと伝えてくれる？』


了解、と返した彼は、本物の救急隊員が駆け寄ってくるのを視界に捉えると、そろそろ失礼しますね、とヘルメットを深く被り直す。



「...余計なお世話かもしんねーけど、良かったのかよ？」
『？何が？』
「プロポーズ」


前回の一件で口調も知られているからか、ストレートに聞いてきた彼に、あぁ、と笑うとこう返した。


『いいの。冷静になってくれてる時に、またしてもらうから』
「！...はは、お似合いだぜ」


ありがと、と彼女が返した頃には、彼の姿はもう無かった。



騒がしさは相変わらずで、ふと振り返ればパトカーに彼が押し込められるところで。


くすり、と笑った彼女は、声をかけてきた本物の隊員と二言三言やりとりすると、救急車へと乗り込んだのだった。

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